ラグビーリパブリック

揺れる欧州ラグビー界 イタリア勢がプロ12脱退へ

2014.02.12


 


 ERC(ヨーロピアン・ラグビー・カップ リミテッド)が統括・運営するハイネケンカップなどの欧州大会に不満を抱くイングランドとウエールズのクラブチームが、決別を視野に入れて新大会発足を計画するなど、揺れている欧州ラグビー界。各主要リーグへの影響は必至で、ラボダイレクト・プロ12(セルティックリーグ)に属しているイタリアのベネトン・トレヴィーゾは9日、決定が長引いている国際的な状況を考慮して、今季限りで同リーグから脱退する意向を明らかにした。


 


 アイルランド、スコットランド、ウエールズのトップクラブや地方代表チームが集まって2001年にスタートしたセルティックリーグ(2011年にスポンサーの関係でラボダイレクト・プロ12と大会名を変更)。2010年からトレヴィーゾを含むイタリア勢が参加し、そのとき結んだ4年契約は今年6月末に期限を迎えるが、トレヴィーゾは契約を更新するつもりはないようだ。


 


 もし、イングランド側が計画している新大会にウエールズ勢が参加すれば、プロ12は崩壊する可能性があり、トレヴィーゾは「プロ12に関する組織、参加、規則の将来の形について、確実性が欠けている」と不安を明らかにした。  


 イタリアラグビー協会はセルティックリーグに2つのプロチームを送り出し、全体予算の約4分の1に当たる1100万ユーロ(約15億円)を費やしたといわれているが、同協会会長は「共同パートナーとして同等な扱いをされず、十分な成果を得られなかった」と母国メディアに語っており、トレヴィーゾだけでなく、プロ12に属するもう1つのイタリアンチームであるゼブレも、来季は国内リーグに参戦することになるかもしれない。


 


 しかし、イタリア勢が国内大会に完全シフトしてしまうとハイレベルの試合が少なくなるため、代表チームの競争力低下につながる恐れがある。トレヴィーゾは脱退を表明したものの、状況が変わる可能性はあり、かけ引きはまだ続きそうだ。


 

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