駆けるサントリーのプレーメーカー、SHフーリー・デュプレア(撮影:松本かおり)
<トップリーグ 2013−2014 プレーオフトーナメント セミファイナル 2>
神戸製鋼 19 − 27 サントリー
(2014年2月2日/東京・秩父宮ラグビー場)
神戸製鋼 19 − 27 サントリー
(2014年2月2日/東京・秩父宮ラグビー場)
後半13分、大砲揃いの神戸製鋼は日本代表CTBクレイグ・ウイングの突破で敵陣へ突入し、サントリーの守備網が整う前に球を右から左へ回す。ゴール前に進む。「決めるのは自分」。南アフリカ代表29キャップ(国同士の真剣勝負への出場数)のLOアンドリース・ベッカーが身長208センチ、体重121キロの巨躯でラストパスへ駆け込む。
しかし、12−17の5点ビハインドは変わらず。サントリーのSHフーリー・デュプレアが、地面にボールを置かせない。攻め込まれるさなかゴールエリア左タッチライン際まで先回りし、最後のパスが出る直前、LOベッカーの真下で待っていた。
結局、サントリーは試合終了直前まで3点リードという接戦を制す。殊勲は南アフリカ代表67キャップのSHデュプレアだ。攻めてもパスの長短とリズムの緩急を示し、LOベッカーにこう言わしめた。
「スプリングボクス(南ア代表の愛称)で一緒にプレーできるのは光栄だけど、敵に回ると…」
オーストラリア代表111キャップのFLジョージ・スミスとともに絶対的な主軸。9日、パナソニックとの決勝戦でもここ一番で光るか。
(文・向風見也)