ビッグゲームでいい働きをしたパナソニックのFL西原忠佑(撮影:松本かおり)
<トップリーグ 2013−2014 プレーオフトーナメント セミファイナル 1>
パナソニック 55 − 15 東芝
(2014年2月1日/東京・秩父宮ラグビー場)
突進ができる廣瀬俊朗と宇薄岳央の両WTBをそれぞれSOとFBに配置。東芝は持ち前の力感を全面に押す構えだ。それを堅守と陣地獲得術でいなしたいパナソニックは、5−0で迎えた序盤に見せ場を作る。
前半10分頃。敵陣中盤左からSH田中史朗のハイパントを追い、ハーフ線付近で網を敷く。東芝がパス回しを乱すや、CTB林泰基が敵の持つ球に腕を絡める。滑らかな動作で低くふんばる前傾姿勢となった。
ターンオーバーの好機。他の仲間も一斉にその接点へ飛び込む。パナソニックがボールを奪うには至らなかったが、東芝の反則を誘うには十分だった。「パナさんは接点に入る、入らないの見切りが上手い」とは後の敗者、NO8望月雄太ゲーム主将だ。パナソニックは敵陣に居座り、13分、SH田中のトライなどで12−0とした。
FL西原忠佑、NO8ホラニ龍コリニアシらのタックルとその後の「見切り」が冴えたパナソニックは、陣地の取り合いでも優勢だった。声のかけ合いで空いたスペースを確認し合い、SOべリック・バーンズが心憎いキックを重ねた。背走に次ぐ背走の東芝は、「フィジカル勝負ができなかった」と和田賢一監督。
(文・向風見也)