(撮影:MASAYUKI MATSUMURA)
メインスタンドに、青い旗が揺れていた。
1月26日、大阪・花園ラグビー場では、トップチャレンジシリーズのトップチャレンジ1(第3節/最終節)、福岡サニックスブルース×Honda HEATがおこなわれた。
旗には、こう書いてあった。
「南河内魂 西端要」
福岡サニックスブルースのベテランバックローの応援者たちが詰めかけていた。
幼なじみ。同級生。チームメート。その一団が沸いたのが後半12分だ。背番号20がピッチに入ったとき、スコアは20-9とブルースのリード。しかし、直後にHonda HEATにトライ/ゴールを決められて20-16と詰め寄られる。
そんな嫌な空気が流れそうになったとき、ベテランの存在が効いた。
「うまくできる、できない、やないんですよね。こういう試合って。若い選手が多く出ているチームだから、声をかけることを気をつけました」
ここ。集中。西端の声が落ち着かせた。
後半29分、SO田代宙士のPGで加点。33分にはPRジェイコブ・エリソンがトライを決めた(ゴールも成功)。ファイナルスコアは30-16。福岡サニックスがトップチャレンジ1での全勝、1位を確定し、来季のトップリーグ昇格を決めた。昨季、入替戦で敗れ下部リーグに陥落したが、最短期間での復帰となった。
勝てば昇格。そんな試合に、序盤は互いに固かった。
勝者の先制点はPG(前半3分/SO田代)。7分には、キックチャージからHO永下安武がインゴールで押さえた。持ち前のハンドリングとランスキルで好機を作り、じっくりと高めてきた防御、ブレイクダウンで相手を封じる。藤井雄一郎監督は、「ここ何年間ツギハギでやって来たけど、イチからやって来たことが生きた」と言った。
Hondaも後半に6-20と引き離されてから結束を固め、FWで猛プレッシャー。反撃に転じて意地を見せた。しかし、終盤に運動量が落ちては勝てない。HO天野豪紀主将は、「風上に立った前半の優位性を生かせなかったのが痛かった」と語った。同チームは、トップチャレンジ1で2勝1敗となり、同シリーズの2位が確定した。
この試合の前にはトップチャレンジ1のもう1試合、三菱重工相模原ダイナボアーズ×横河武蔵野アトラスターズもおこなわれ、三菱重工相模原が63-10で勝利。同シリーズの3位を決めた。横河武蔵野は4位。
この結果、トップリーグ2013-2014の入替戦組み合わせが決定した。対戦カードと試合日程は以下のとおり。
・2月8日(土) 13:00 コカ・コーラウエスト×三菱重工相模原(福岡・レベスタ)
・2月15日(土) 13:00 NTTコミュニケーションズ×横河武蔵野(埼玉・熊谷)
・2月15日(土) 13:00 NTTドコモ×Honda(大阪・近鉄花園)