ラグビーリパブリック

王者・帝京大も気合十分! 「ジャージーがはち切れるまでタックルする」

2014.01.11

teikyo

決戦前日。岩出監督からジャージーを渡される帝京大の選手たち
(撮影:松本かおり)

 午前9時30分からの試合前日練習を終えたスキッパーの顔は清々しかった。
 「最高の準備ができました。やり残したことはなにもありません」
 中村亮土主将だ。1月12日におこなわれる第50回全国大学選手権。5連覇を狙う帝京大学は11日、日野市百草の同大学グラウンドで決戦前の練習をおこなった。

 「普段に近い練習」(岩出雅之監督)に集中力高く取り組んだチームは例年通り、出場メンバーのタックル練習を全部員で盛り上げた後、ジャージー授与式に臨んだ。
 岩出監督が「全員の気持ちがつながったと思う。明日は出し切ろう」と、短く語りかけた。いい空気が張り詰める。指揮官はすべてが終わった後に言った。
 「みんなの気合いが伝わってきました。多くを語る必要はないと思いました。あえて邪魔する必要はないな、と」
 決戦前に言うべきことは年々少なくなっていると、穏やかに笑う。クラブの成熟、選手たちの成長に信頼を寄せる。

 中村主将はファイナルで対峙する早大について、「勝ち上がってくるのはワセダだと思っていました」と語った。
 「春から何度か戦ってきて、帝京に対しての思いを一番強く感じるチームでしたから。楽しみです」

 今季の過去の対戦では、日本代表でもあるFB藤田慶和が出場していなかった早大。それについても中村主将は、意に介さないと言った。
 「へんな強がりでなく、あまり関係ないと思っています。止める自信がありますから」
 準決勝まで怪我で欠場していた副将、NO8の李聖彰の復帰を「いちばんキツいときに顔を出す男ですからね(笑)」と心強く感じている。また、自身はインサイドCTBでプレーし、SOは1年生の松田力也が務めることにも不安はない。
 「信頼しています。彼のポテンシャルをすべて引き出せるような雰囲気を作ってあげたい」

 練習の最後に、キャプテンは全部員に向けて気持ちを伝えた。
 「試合に出るメンバーは、ジャージーがはち切れるまで、みんなの分までタックルしよう。そして、最後は全員で笑おう」
 王者は、過去の4連覇と同様の空気を携えて頂上決戦に臨む。

Exit mobile version