学生日本一を決める大学選手権の決勝戦が12日、東京・国立競技場で行われる(13時キックオフ)。5連覇を目指す帝京大(関東大学対抗戦A・1位扱い)に、史上最多15回の優勝を誇る早大(対抗戦・2位扱い)が挑む。
4連覇中の帝京大はFLマルジーン・イラウアらの力強い突進、LO小瀧尚弘らの分厚いサポートなどパワープレーを伝統芸とする。今季はCTB中村亮土を軸としたBK陣が空いたスペースを束で攻略するなど、隙の少ない陣容となっている。選手権では負傷欠場が続いたNO8李聖彰副将も先発に復帰。ランナー、黒子、ラインアウトの統率役と八面六臂の活躍が期待される。ハードタックラーのHO坂手淳史は「自分たちのやってきたことを全て出すだけ。自分としても最高の舞台を楽しみたいです」と淡々と語った。
かたや早大はスクラムを長所とし、2日の筑波大(対抗戦・4位扱い)との準決勝でも相手ボールを押し込んでのトライを記録。帝京大のHO坂手が「相手は全員が塊となって組んでくる。そこで付け入る隙を探そうするのは、自分たちのやってきたこととは違う。こちらもバラバラにならずに8人で(FW陣がまとまって)、一枚岩として組む」と意気込むなか、早大のPR垣永真之介主将は「いつも通り、普通に組む」と自信を覗かせる。スクラムで圧力をかけ、しぶとい組織守備とFL布巻峻介のハードタックルの合わせ技でボールを奪う。少ない好機でFB藤田慶和の走力、FL金正奎副将の決定力を活かす…。これが王座へのシナリオとなりそうだ。準備期間中、FB藤田は「プレッシャーはないですし、のびのびできている。いいプロセスを過ごせていると思います。帝京、帝京と意識せず、ワセダの目指してきたラグビーをやったら通用する」と意気込みを語っていた。
(文・向風見也)