勝てば77回大会(1997年度)以来の4強入りとなる報徳学園(兵庫)だったが、センバツ準優勝からさらに進化した東海大仰星(大阪第1)を倒すことはできなかった。準々決勝第3試合で両チームは激突し、ファイナルスコアは66−17。仰星は計10トライを奪い、堅守も光る圧勝だった。
序盤に躍動したのは報徳学園の選手たちだった。前半4分、ゴール前左に迫ったあと中央へ展開し、超高校級のCTB梶村祐介がダミーとなってFB藤井俊哉がゴールラインを駆け抜けた。チーム最速のFB藤井はその2分後にも左サイドを振り切ってトライを決め、12点をリードする。
しかし東海大仰星は8分、ラインアウトからモールでゴールに迫り、PR西田涼馬がラックから持ち込んでトライ。仰星は12分にも、CTB山田一輝の突破から22メートルライン内でチャンスを作り、右に振ってLO西野晃太がポイントゲッターとなった。ゴール決まって逆転。勢いに乗った東海大仰星は17分、チーム一体となったテンポある連続攻撃で襲いかかり、PR藤井拓海がトライ。20分にはラックからターンオーバーし、SH米村龍二が右サイドを走り切った。
報徳学園は前半23分、SO田中健登が自陣でインターセプトしてビッグゲインし、右への展開からCTB梶村が5点を返したが、自分たちがスコアボードを動かしたのはこれが最後。
後半は東海大仰星のディフェンスを崩すことはできず、逆に、相手のFB野口竜司やHO北林佑介などに次々と防御網を破られ、終わってみれば50点近く差がついた。
「(仰星は)速くて、強くて、大きい。あのチームにあのスピードでやられると止めるのは大変」と報徳学園・西條裕朗監督。勝った東海大仰星の湯浅大智監督は「先に2本取られたことで、かえって冷静になることができた」と、落ち着いてプレーした選手たちを称えた。