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ビッグパフォーマンス見せた早大 真っ向勝負で筑波大下し決勝進出!

2014.01.02
<第50回全国大学選手権大会 準決勝 1>
早稲田大 29 − 11 筑波大
(2014年1月2日/東京・国立競技場)

早大FWのパワー爆発。筑波大ボールのスクラムを押しこみトライへ(撮影:矢野寿明)

 終盤の集中力で上回ったことを、早大・後藤禎和監督は高く評価した。
「筑波の最大の強味は、ディフェンス時のブレイクダウン。それに対し、真っ向勝負で打ち勝とうと話しました。序盤は相手の圧力を受けてミスも出たけど、最後の10分間で3トライをとって勝った。監督として、選手たちの成長を評価したい」

 1月2日に国立競技場で行われた第50回全国大学選手権準決勝第1試合で、早大が筑波大に勝った。残り10分ちょっとという時間帯で10−8と僅かにリードしていた勝者は、10分強で3トライを奪取。29−11と快勝した。

 序盤、快調に滑り出したのはスカイブルーのジャージーだった。6分、筑波大は早大陣で鋭く守って反則を誘い、PGで先制。そして、10分にも相手ミスから好機を掴む。ノックオンのボールを拾ってアタックに転じ、FB山下一がインゴール右スミに走り込んだ。
 その後も、早大のハンドリングミスなどで攻撃圏を手にする機会も少なくなかった筑波大。しかし、勢いが続かなかったのはセットプレーで早大に圧力を受け続けたからだ。スクラムで押し込まれ、ラインアウトが乱れる。その影響は、やがてブレイクダウンでの攻防にも及び、筑波大の強味を奪っていった。WTB福岡堅樹にボールが回っても、スピードスターの前に駆け抜けるだけのスペースはなかった。
 20分にターンオーバーからの攻撃でFB藤田慶和かトライを奪った早大は(コンバージョンも成功)、26分には相手のスクラム・コラプシングでPGを決める。10−8とリードして前半を終えた。

 後半は、風上に立った筑波大の攻撃が続く時間帯もあった。しかし、アカクロのジャージーがよく守った。早大陣に攻め込んでは、水色のジャージーがボールをこぼす。そんなシーンが何度もあった。
 そして迎えたのが後半29分だ。
 筑波大がトライ寸前で落としたボールを早大が切り返して攻め、蹴る。キックチェイス後、トライライン寸前でノックオン。筑波大ボールのスクラムとなった。
 ここで早大FWのパワーが爆発した。押しこまれた筑波大がボールのコントロールを失う。SH岡田一平がインゴールで押さえた。
「この1年間、やってきたことを凝縮させた」
 PR垣永真之介主将は、ビッグパフォーマンスをそう振り返った。

 その後筑波大はPGを決めて(後半31分)11−15と差を詰めたが、流れは変わらなかった。ブレイクダウンで前に出た早大はボールを支配し続け、34分にFB藤田、37分にWTB深津健吾がトライ。最後は完全に動き勝った。

 敗れた筑波大・古川拓生監督は、「ボールを持つ時間が短かった」と言った。
「マイボール時のセットプレーでいかにボールを手にするかがテーマだったが、相手がこだわっている部分でもあり、うまくいかなかった」
 内田啓介主将も唇を噛んだ。
「(攻めても取れない時間帯に)焦りとかはなかったのですが…。基本スキル、集中力が足りなかった」