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5連覇はまだ先の話… 帝京大、集中力高く着実に頂上へ前進。

2013.12.22

teikyo

先発し、2トライと活躍した帝京大NO8大和田立。(撮影/松本かおり)

 大東大の個々が持つ才能の高さは伝わってきた。
 緑のジャージーがタックルすれば、真紅の突進も一度は止まる。ボールを持って走れば、スピードで劣らず、パワーで対抗。前半20分過ぎまでに2トライ奪った事実だけでなく、王者と伍していける点は多々あった。
 しかし、結果は76−19。大学選手権4連覇中の帝京大が大東大を圧倒し(プールA 1位)、5連覇へまた近づいた。

 前半23分までは、17−14と競った試合だったが、ハーフタイムで31−14、後半20分で43−19、フルタイム時の合計トライ数は帝京大=11、大東大=3(76−19)。最後の20分でスコアの開きが加速した。勝者が点差に関係なく、精度を保ち、激しくプレーする意志を緩めなかったからだ。
 この日、背番号10を背負ったルーキーの松田力也は、これでもかと仕掛け続けた。NO8で先発した大和田立もハードを貫いた。松田の先発SO起用の理由を「2019年のワールドカップに向けてどんどん育ってほしいな、と。いろんなポジションを経験させてあげたいと思って」とした岩出雅之監督は、最後まで意識高くプレーした選手たちの姿勢を「いい成長の兆しを感じる」と評価した。

 敗れた大東大・青柳勝彦監督は、「勝つためにはタックル、ディフェンス、と言って試合に臨みました。それは遂行してくれたがやられた。いま持っている力は出し切ったと思う」と80分を振り返った。PR高橋洋丞主将も、「力は出し切れたのでスッキリしています」。王者との距離を体感し、新たな目標設定に活かしたい気持ちが伝わってきた。

 帝京大・中村亮土主将は、「満足することもなく、悲観する必要もない、次につながる試合」と総括した。準決勝の相手が関東大学対抗戦で75−0と大勝した慶大に決まったことについては、「慶応は、対抗戦時とは別の相手と思っています。(出場する)選手も違うでしょうし、トーナメントという環境も違う。目の前の相手としっかり戦うだけ」。
 5連覇はまだ先の話、という姿勢を崩すことはなかった。

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