3年連続の国立競技場進出は快勝で決めた。筑波大が流経大に36-11と勝利。プールBの1位となり、プールDで1位となった早大と準決勝で戦う。
前半6分にPGで先制されるも、スカイブルーのジャージーは危なげなかった。
4分後にトライを奪い、チームを勝利へと直進させたのは1年生SOの山沢拓也だ。ボールを手にして自ら走る。ディフェンダーが大勢立つエリアを、巧みに、そして鋭く抜いてインゴールに走り込んだ。
「前が空いていたので。ただ、抜けるとは思わなかった」と振り返った司令塔は、その後もよく仕掛け、才能溢れるBKラインを動かした。前半は計3トライを奪い19−3とリード。風下に回った後半は、1T1PGを決められて19−11と迫られるも、最後まで落ち着いていた。
後半20分にWTB山下一が右ライン際を走り、トライを奪うと(ゴールも決まり26−11)、28分にはPGを追加して29−11。そして、「うまくいった」と振り返るアタックは35分だ。自分で仕掛けて防御ラインの裏に出ると、反応よく顔を出したWTB福岡堅樹につないでトライを引き出す。36−11と快勝の試合で最後までゲームを動かし、「自分のプレーをもっとチームに合わせて、勝てるようにしたい」と語った。
筑波大は、FWが攻守によく働いてBKのプレーを引き出した。特に、フロントローがボールを持って前に出たのが効果的だった。
何度も走ったPR橋本大吾は、「自分の得意とするプレーなので」と言って笑った。シーズン序盤は揺らいでいたスクラムも、話し合い、一体感強く意識することで、試合を重ねるごとに安定。BKとの連係も高まり、相乗効果も出た。
「以前はスクラムから顔を上げるとBKのミスもあって、うしろに下がることも多かったんです。でも、シーズンも深まりそういうことも少なくなってきて、自分たちも前に、前に走れるようになった。いま、いい感じです(笑)」
SO山沢とは中学(熊谷東中→深谷高)から同じチームでプレーしてきた。1学年先輩として近くで見てきたから、その変化がよく分かる。
「センス抜群なのは昔から変わらないんですが、フィジカルが強くなって、プレーの安定感が増した気がします」
関東大学対抗戦で早大と戦ったときは、自身がトイメンの垣永真之介主将にやられ、スクラムを押し込まれた。だから、「今度はやってやりたい」と強く思う。
頂点までの2戦は、どこが来ても対抗戦で敗れた相手。リベンジの強い意志で、昨年手にできなかったものを奪いにいく。