ラグビーリパブリック

早大は両FLが持ち味生かし、大量得点を支える 慶大はタックル不発…。

2013.11.23
<関東大学対抗戦A>
慶大 7 − 69 早大
(2013年11月23日/東京・秩父宮ラグビー場)

慶大戦でいい走りを見せた早大のCTB飯野恭史
(撮影:高塩隆)

 早大は、合流間もない日本代表のFB藤田慶和が入場料に付加価値をつけた。ただ、試合の品質を高く保ったのは、黒子役のFLたちだった。
 まずは背番号6の金正奎副将だ。前半6分、自陣深い位置からチームがオープン攻撃を決めた際、敵陣ゴール前の接点からボールをもらう。いきなり大きく突破できた直後とあって、全体はばたつきかけていた。そこでFL金は、下手にパスを回すよりも前に出て、再び接点を作った。その決断で、相手守備網を自分のところにしっかり引き付けた。左脇に大きな空間を作り、SO小倉順平の先制を呼んだのだった。その後は自らも的確な援護で2トライを決め、チームは前半で36得点を記録した。
 背番号7の布巻峻介は、肩の痛みからその前半だけで退いた。本人は「時間が経てば痛みは引いた」とのことだ。芝の上では再三、相手ボールの接点に鋭くクラッシュ。向こうの球出しを遅らせたものだ。
 慶大は、「ワセダの思った以上の展開力、ブレイクダウン(接点)に圧倒されて…」とSO宮川尚之。お家芸のロータックルは影を潜め、FB藤田、両FL、SO小倉、CTB飯野恭史らを好きにさせてしまった。

(文・向風見也)

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