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法大、吹っ切れた! 鋭い攻守を取り戻し、逆転で大学選手権出場へ!

2013.11.12

 関東大学リーグ戦1部で昨季4位の法大は迷いを断ち切ったか。9日、東京・秩父宮ラグビー場で前年度王者の東海大を26−15で下した。2勝4敗で勝点を12とし、暫定5位となった。

 今春、谷崎重幸監督が就任。東福岡高を率いて全国高校ラグビー大会で3連覇を果たした指揮官がチームを束ねるも、秋のリーグ戦では開幕から5戦でわずか1勝。12月に開幕する全国大学選手権セカンドステージへの出場も危ぶまれた。

 昨季から務めている谷口大督コーチが「プロセスは去年よりいい」と言うように、組織力と個々のモチベーションは高まっている。しかし、攻撃時の選択肢が増えたなか、プレー選択に躊躇する向きがあったようだ。結果、ボール保持者の孤立が生じた。10月27日、秩父宮で昨季7位の大東大に19−26と敗れたあと、ゲームリーダーの1人である3年生のCTB金勇輝は「皆、口には出さないけど、それぞれ疑問は持っていると思います。結果が出ていないので…」とつぶやいていた。

 しかし敗戦から約1週間後の11月2日、東京・キヤノンスポーツパークで東海大が大東大に敗れた(29−34)。「次は絶対勝とう、と盛り上がりました」とLO牧野内翔馬は言う。

 「練習ではB(控えチーム)もガンガン来てた…。Aも気合を入れないとだめだった」

 CTB金も目が覚めた。身長151センチのSHとして活躍したOBの穂坂亘コーチから「小手先のプレーに逃げている」と諭されたのだ。

 「パスも、ランも、キックも、と中途半端な気持ちになるんではなくて、縦に行くと決めたら思い切って縦に行くんだ、と。そこで吹っ切れたというか」

 東海大戦では終始、鋭い出足を示した。ここ数カ月はなりを潜めていた、攻撃ラインの形成のスピードが戻った。結果、孤立する選手が減った。CTB金は言う。

 「いままでは『キック? パス? 順目? 逆目?』と迷っていた。今回は『縦に相手を崩す』という気持ちが、『スピードをつけるために(攻撃ラインを)深く作らないかん』という意識に繋がった。もう、負ける気はしなかったですね」

 終盤に失点するなど課題を残したものの、FL西内勇人は「(選手権出場に向け)まだチャンスがある。毎回の練習を激しくやりたい」と前を向く。チームは24日、八王子・上柚木公園陸上競技場で昨季3位の拓大(0勝6敗)と戦う。

(文・向風見也)
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