NECグリーンロケッツのネマニ・ナドロ。過去、ワラタスでは結果残せなかったが、
日本ラグビー界で成長し、南半球最高峰舞台に再チャレンジする(撮影:BBM)
南アフリカ、ニュージーランド、オーストラリアから5チームずつが参加し、南半球最強クラブを決める「スーパーラグビー」。19シーズン目となる2014年大会へ向け、30日、ニュージーランド勢が各スコッドのメンバーを発表した。それぞれ、トレーニンググループの予備選手5名を含む、計37名。
3連覇を狙うチーフスには、ジャパンラグビートップリーグを経験したオールブラックス100キャップ保持者のFBミルズ・ムリアイナ(NTTドコモ)と、サモア代表のLO/NO8ケーン・トンプソン(キヤノン)が加わる。ハイランダーズから移籍した元ニュージーランド代表のPRジェイミー・マッキントッシュは第一列のニューパワーとなり、2007年にIRB(国際ラグビーボード)から最優秀U19選手賞を贈られたことがあるCTBロビー・フルーエン(前クルセーダーズ)は、心臓手術からの復活とともに、新天地での飛躍を誓っている。
全チーム中で最多の優勝7回を誇るクルセーダーズは、2011−12トップリーグのトライ王であるNECの大型WTBネマニ・ナドロを獲得した。オールブラックスの司令塔ダン・カーターが半年間の休養のためチームを長期離れるが、ニュージーランド代表SOとして2011年ワールドカップ優勝に貢献したコリン・スレイド(前ハイランダーズ)が代役を務めることになりそうだ。
11年ぶりの王座奪還を目指すブルーズは、オールブラックスのPRトニー・ウッドコクとCTBマア・ノヌーをハイランダーズから獲得。さらに、ラグビーリーグ(13人制)の人気選手だったBKベンジー・マーシャルや、現在はトヨタ自動車に所属している世界最高峰FLのジェローム・カイノ、ニュージーランド代表15キャップ保持者のLOトム・ドネリー(前クルセーダーズ)などともサインを結び、豪華な補強に成功した。
昨季11位のハリケーンズに大物の新たな加入はない。しかし、2013年大会直前に右膝の前十字靭帯を断裂し、長期離脱していたオールブラックスのWTBコーリー・ジェーンが復活したのは朗報だ。
そして、日本人初のスーパーラグビープレーヤーとなったSH田中史朗が所属するハイランダーズは、ウッドコクとマッキントッシュの流出で手薄になったフロントローに、アルゼンチン代表の新星PRマティアス・ディアスを加えた。育成に力を入れるため目立った補強はないが、2012年に在籍していた7人制代表の元スター、FBカート・ベイカーと再び契約している。昨季14位からの巻き返しなるか。
なお、パナソニックと日本代表で田中史朗のチームメイトであり、同じく2013年に南半球最高峰舞台に立ったHO堀江翔太は、来年もメルボルン・レベルズ(オーストラリア)でプレーすることが決まっている。
スーパーラグビー2014の開幕は、2月15日。