<関東大学対抗戦A 2013>
筑波大 3 − 10 帝京大
(10月20日/東京・秩父宮ラグビー場)
試合開始早々、大学選手権4連覇中の帝京大は態度を示す。昨季全国2位の筑波大が自軍キックオフのボールを確保した先へ、3人、4人、5人と突っ込む。足を掻く。ターンオーバー。「団結して、前に前に出続けよう。それが形になった」。NO8李聖彰は満足げに振り返った。
水しぶき舞う芝の上にあって落球が続出。勝敗以上に試合内容を注視したかったであろう岩出雅之監督は、「チャンスで取り切れたらもっと楽になった。誰ひとり、満足していません」と言う。ただ、肉弾戦の制圧と守備網の整備を感じてか、「ゲームは支配していた」とも。チームの看板たるFW陣は、接点の向こう側へ手を、足を、身体を伸ばし、敵陣で球を持てば迫力と堅実さの合わせ技でスローに攻め続けた。ある意味、スコア以上の力量差を示した。
かたや筑波大は、ハーフタイム明けからタックルの出足を鋭くし、後半は無失点も、「エンジンがかかるのが遅かった」とSH内田啓介主将。SO山沢拓也は柔らかなパスで味方の突破をいくらか促したが、本人としては「帝京のディフェンスを意識して、スピードに乗ったパスを出せなかった」。試合の実相を暗示した。
(文・向風見也)