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【現地発】ムンバイで敗れる。男子7人制日本代表、香港の気迫に屈す。

2013.10.14

正海など若手の成長も見られたが、香港の執念に力負け。

シンガポール決戦へ。(撮影/出村謙知)

 

 ワールドステージへとつながる決戦はシンガポールへと持ち越された。
 アジアセブンズシリーズ2013第3戦(インド・ムンバイ/10月12日、13日)。三たび香港との対戦となったカップファイナル。これまた、いつものように先制を許した日本は、最後まで自分たちのリズムでアタックができずに14-24で完敗した。

 

 今季ここまで、マレーシアセブンズ(8月31日、9月1日)、タイセブンズ(9月21、22日)と2大会を制していた日本。今回のインドセブンズで1位になれば、今季のアジア王者の座をほぼ手中に収めるはずだった。しかし敗戦。11月のシリーズ最終戦=シンガポールセブンズで、もう一度香港を破ることが必要な状況となった。

 

「香港に対してはいつも追いかける展開になるので、根本的にそこを変えたい」(坂井克行主将)
 3週間前のタイも、1年前のムンバイでもそうだった。常にアジア王者を争う好敵手となっている、香港戦。今回のカップファイナルでも立ち上がりから、完全に相手に主導権を握られた。

 

「セットに関しては香港の方が上」との瀬川智広ヘッドコーチの分析どおり、キックオフが取れずに、そのまま香港にボールキープを許し、ディフェンスの時間帯が多くなる。「今回は事前合宿でも、前にしっかり出て、相手を倒すというタックルにフォーカスした」(瀬川HC)という日本の前に出る防御も機能していたが、結果的に敗因のひとつとなったのがブレイクダウンでの反則。そこからピンチを広げ、2分に先制トライを許した。
 さらに7分にも、相手の好キックにディフェンスが対応できず、香港に2トライ目を献上する。それでも前半終了間際のピンチはしのぎ、逆にロマノ・レメキが力強い走りで香港ディフェンス を破って独走トライ。逆転勝ちへの流れをつかんでのハーフタイム入りとなった。

 

 3週間前のタイセブンズの決勝戦がそうだったように、日本としては後半のアタック時間を長くして、自信を持つフィットネスを生かして逆転するかたちに持ち込みたかった。しかし、後半も先手を取ったのは香港。
「後半最初にミスから取られたのが痛かった」(桑水流裕策)

 

 1分にスクラムから近場を突破されて14点差に離された後、4分にはPGによる3点も加えられた。5分にレメキが2本目のトライを奪ったものの…14-24で終戦。
「今回は単発のフェイズからしかトライが取れていない。効果的なブレイクダウンを重ねてスペースにボール運び、相手を崩していくという、我々が意図したアタックができなかった」(瀬川HC)

 南アジア特有の蒸し暑さに、連日の雨でどろどろのグラウンド。確かに、アジアシリーズの中でもとびきり悪条件が揃うインドセブンズだが、どんな状況であろうとも、勝ちにこだわる姿勢で上回っていたのは香港だった。もう負けられない。その気持ちで上回った。

 

 昨季、同じムンバイで香港に敗れたことで、ワールドシリーズへ参加するコアチーム入りへ扉が閉ざされた。そのリベンジは果たせなかった。2年分のムンバイでの悔しさを4週間後のシンガポールでの戦いにぶつけることになる。

 

(文/出村謙知)

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