ラグビーリパブリック

「壁を乗り越えた時間が今日だった」。ジュビロ、東芝勝利で新たな歴史刻む。

2013.10.07

■ジャパンラグビートップリーグ 2013-2014 第5節
■2013年10月6日/盛岡南公園球技場
ヤマハ発動機 33-17 東芝

 

 

フルタイムの瞬間。歓喜のヤマハ。東芝はうなだれた。(撮影/?塩隆)

 

 

 ジュビロの新たなる歴史を刻んだ80分だった。
 勝てばプールAトップ通過が限りなく近づく試合。前半は風上の東芝ペースだった。いったんは逆転したものの後半17分、東芝の十八番であるモールからPR三上にトライを許し、再び追う側に。そこで崩れることなく、終盤の24分から3連続トライを畳み掛け、終わってみれば33-17。がっぷり四つに組んで、相手にボーナスポイントを許すことのない完勝だった。

 

 試合後、万感の面持ちで会見に臨んだ清宮監督は、「今日は、自分たちがやろうとしたことをやりきった選手たちの精神力に尽きる」と、称えた。ラインアウトは安定を欠いたものの、スクラムは制圧。ブレイクダウンも東芝相手に、前に出る圧力を最後までかけ続けた。
 プレイングアドバイザーの大田尾も、「接点でFWが下がらなかったのが勝因。自分たちの時間が互角に持てるようになって、そこで得点できた。去年やおととしは(互角の時間は)もっと短かった」と、チームの成長を口にした。

 

 特筆すべきは、古豪から勝利をもぎとった選手たちの若さだ。
 先発15人中、30歳以上は3番の田村義和(34歳)と、SO大田尾(31歳)の二人だけ。1番の山本、8番の堀江はこの春入社のルーキー、HO日野とLO大戸は2年目。三村主将も入社3年目と、先発FW8人の平均年齢はなんと25・5歳。「彼らはまったく物おじしないで、力をフルに出しますね。東芝相手にもまったく動じてなかった」と、大田尾も舌を巻く。

 

 前回の東芝戦勝利は’06年度シーズンまでさかのぼる。「僕らが低迷していた時期もずっと4強であり続けたチームに勝てた。自分たちの歴史を作り始めている感覚がある」(大田尾)。清宮監督も「自信は何物にも代えがたい。今日はそれを会得する瞬間。壁を乗り越えた時間が今日だった」と、チームがブレイクスルーしたことを実感していた。
昨年度4強のパナソニックに引き分け、東芝から勝利。16チームで唯一の負けなしだ。ジュビロの快進撃が始まった。

(文/森本優子)

Exit mobile version