活躍の場を得て成長を続けるパナソニックFB三輪忠寛(写真中央)。(撮影/松本かおり)
パナソニックワイルドナイツのFB三輪忠寛が2試合連続先発中だ。日本代表3キャップのFB田邉淳が故障で抜けた穴を十二分に埋め、中嶋則文監督から「このまま使い続けたい」と評される。
チームは10月5日、埼玉・熊谷ラグビー場でコカ・コーラウエストとの第5節を39-5で制した。指揮官は、先発フル出場の若手FBを「キックングゲーム(陣地の取り合い)でも負けていないし、ディフェンスでも1対1で止めきれていた」と前向きに評価した。
数年来レギュラーだったFB田邉は9月14日、静岡・ヤマハスタジアムでの第3節(ヤマハ戦/13-13)で負傷した。シーズン終盤まで欠場の見込みで、この先、代役のFB三輪が出番を増やしそうだ。
9月29日、栃木・足利市総合運動公園陸上競技場で行われたクボタとの第4節。関東学院大から入部して4季目でTLデビューを果たし、マン・オブ・ザ・マッチを受賞した(34-16)。強豪クラブでなかなか出場機会が得られなかったが、「出られないからといって練習をおざなりにはしたくなかった」という。
昨季、チーム方針によりCTBからFBに転向した。レギュラーのFB田邉や中嶋監督、トニー・ブラウンアドバイザーから、的確な位置取りやキックの技術を学んだ。身長174センチ、体重84キロと決して大柄ではないが、指揮官から「練習から良くて、どこかで使おうとは思っていた」と言われるまでになった。結果、初のTLで活躍する。「いつでも試合に出るイメージは持っていた」と振り返った。
「常に準備する。それでも出られない時も、準備し続ける。いつかチャンスが巡ってくるとはずっと言われていたので。それで(クボタ戦で)パッと出た時、(周りと)遜色なくできたと思います」
コカ・コーラ戦について、本人は「前節の方が良かった」と述懐する。「バックスリー(WTBとFB)のコミュニケーション、ディフェンスは良かった」ものの、前半はプレースキックを3本外したため反省しきりだった。
「安定したプレーをしていきたいです」
10月19日の第6節、昨季準優勝の東芝と激突する(東京・秩父宮ラグビー場)。
(文/向 風見也)