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刺さりまくった! 国体は、少年も東京が頂点へ。

2013.10.03

飛び抜けた選手はいなかったが、結束で勝利した。(撮影/直江光信)

 

 

 この試合にかける思いがプレーに表れていた。10月3日、東京都の江戸川陸上競技場で行われた第68回国民体育大会少年の部決勝戦戦。地元優勝を目指す東京が気迫あふれるディフェンスで息詰まるクロスゲームを制し、19大会ぶりの優勝を果たした。

 

 決勝の相手は昨年度の王者、大阪。春の全国選抜大会でベスト4を独占した才能集団に対し、東京はタックルで刺さりまくった。
 開始早々にキックカウンターから突破を許しトライを奪われた東京だったが、その後は素早いリアクションと鋭いタックルで食い込み続け、徐々に流れを引き寄せる。19分にゴール前のラックからPR小木曽晃大(目黒学院)がサイドをねじ込み、同点にして前半を折り返すと、後半はさらに接点で激しく体を当て、大阪のアタックを寸断。21分、ようやく訪れたチャンスに見事な集中力を発揮してSOテビタ・タタフがトライを挙げ勝ち越すと、終盤のピンチも粘り強いカバー防御でしのぎ切り、歓喜のフルタイムを迎えた。

 

 地元国体に向け、現在の高校3年生が中学生だった頃から強化にあたってきた渡邉宣武監督は、「最後は信頼して、信じて見守るだけでした」と感無量の表情。一丸となって体を張り続けたタックルに、「日本一をかけた究極の根性比べだ、といって送り出した。持ち味のディフェンスでよく辛抱してくれました」と選手たちの奮闘を称えた。

 

 一方、あと一歩で連覇を逃した大阪。最後は東京の気迫に押し切られる形となったが、FL吉田杏、SO喜連航平(ともに大阪桐蔭)を軸に優れた個人技を連発し、随所に能力の高さを示した。
 チームを率いた橋爪宏和監督は、「我々も強い気持ちで臨んだが、地元開催の勝ちたいという気持ちが、ちょっとだけ勝っていたのかな、と。でもどっちに転んでもおかしくない試合だったし、選手はよくがんばってくれました」と晴れやかな表情で語って大会を後にした。

 

 

勝者は少ないチャンスをものにした。(撮影/直江光信)

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