フォースでプレーしていたトンガ出身のアルフィー・マフィ。パシフィック・アイランドには才能豊かな選手が多い
(撮影:Yasu Takahashi / Nichigo Press)
参加チーム数の拡大が噂されている南半球最高峰クラブリーグの「スーパーラグビー」だが、2016年からパシフィック・アイランドチームが新規参入する可能性が出てきた。10月2日付の『ザ・ニュージーランド・ヘラルド』紙など複数の海外メディアが報じたもので、そのチームはパシフィック・アイランドからの移民が多いオークランドに拠点を置き、ニュージーランド・カンファレンスに加わるという。
ラグビーでプロ化が容認された1995年、南アフリカ、ニュージーランド、オーストラリアの3カ国が連合組織の『SANZAR』を設立し、翌年から南半球プロフェッショナルリーグの「スーパー12」がスタート(3カ国から計12チームが参加)。世界最高峰のプレーヤーが集うエキサイティングなアタッキングラグビーは人気を集め、2006年には「スーパー14」に拡大、そして2011年からは現在のような15チーム参加の大会へと発展した。
SANZARのグレッグ・ピータースCEOは、テレビ放送権やスポンサーとの契約上、2015年12月31日までは現在のフォーマットを変えるのは不可能であると明言しているが、さらなる拡大を求める声は多く、フォーマット再編が可能となる2016年には、16チームまたは18チーム参加のスーパーラグビーに生まれ変わるかもしれない。
世界ランキング7位のサモア、2011年ワールドカップでフランスを破ったトンガ、ワールドカップ8強入りの戦績を持つフィジーの、有能な選手を集めて結成されるであろうパシフィック・アイランドチームは、新規参入の有力候補のひとつ。これまでは、同地域の多くのトッププレーヤーたちは欧州や日本に飛んで報酬を稼がなければならなかったが、南半球に残ってハイレベルのプロラグビーでプレーできるようになれば、アイランダー選手の希望は広がり、財政的にも南太平洋諸島のラグビー界にとっては大きなプラスとなる。
さらに、南半球国別対抗戦(ラグビーチャンピオンシップ)の仲間入りを果たしたアルゼンチンや、新たなスポンサー獲得が期待できる成長著しい日本ラグビー界も、スーパーラグビーに取り込もうという動きがある。
アルゼンチンからの参入よりも、南アフリカ勢を6チームに増やす案が支持を集めているとの報道もあるが、もし「スーパー18」となった場合は、日本からのチームはオーストラリア・カンファレンスに入るだろうと、『ザ・ニュージーランド・ヘラルド』紙は伝えている。