■ジャパンラグビートップリーグ 2013-2014 第4節
■2013年9月28日/東京・秩父宮ラグビー場
NTTコム 21-15 トヨタ自動車
カウンター攻撃に走るFBブラッキン・カラウリアヘンリー。
友井川拓主将のトライを呼ぶ。(撮影/松本かおり)
焦点を絞りきった側が勝利を手にした。
この試合。このプレー。NTTコムがいい準備をして、いい集中力で試合に臨み、思うように圧力をかけ続けた。21-15でトヨタ自動車に勝った。
今季から2プール、2ステージ制になったトップリーグ。開幕から4節を終了し、早くも各チームにとって今後の明暗をわける試合が出てきた。1勝2敗でこの試合を迎えたNTTコムは、『絶対に勝たなければいけない』80分としてチームの意志を統一した。負ければセカンドステージでの上位リーグ進出が難しくなる。張り詰めた空気は、試合までの日々、試合中も途切れることがなかった。
「毎試合、毎試合そうなのですが、特にこの試合は、目の前の試合に尽くそうという気持ちが強かった。練習、サテライトリーグでの試合と、全力で取り組めていたと思います。この試合に向けて、気持ちが入った練習をやってこれた。『トヨタに勝つんだ』というコメントもみんなの口から出ていました」
友井川拓主将の言葉である。
林雅人監督も言った。
「事実上の決勝戦。いつもと違う1週間を過ごして勝てたのが嬉しい」
勝者は立ち上がりから攻守で前に出続けた。ディフェンスでは、ローファーストタックルを徹底。2人目が激しくボールに絡む。攻撃ではSO君島良夫のキックによるゲームコントロールと、意を決したときの思い切りのバランスがよかった。
セットプレーではひとつになった。スクラムでかたまる。ラインアウトで息を合わせる。それでもミスは出る。でもチームとして統一感があるから、細かなミスがミスにならない。流れの中に飲み込んだ。
前半2分、連続攻撃からCTBマット・サンダーズが切れ込んで先制トライ。39分にはキックカウンターからFBブラッキン・カラウリアヘンリーがキック。それを追ったWTB友井川主将が左隅で押さえた。後半のトライは32分、辛抱強く攻め続けたアタックから、WTB小泉将が鋭く、大胆に走って得たものだけだ。
長く持っていたボールを奪われ、一気にトヨタに攻めきられるシーンもあった。でも、気持ちもフィットネスも最後まで切れることがなかった。敗れた廣瀬佳司監督は、「前半ほとんどアタックしていない。ボールを渡してくれなかった。ボール争奪戦で負けた」と勝者を称えた。
NTTコムの次戦は10月5日、花園にて相手はNTTドコモ。第4節までの勝ち点は、コム=9(プールA 5位)、ドコモ=10(同4位)という相手だ。そんな状況で迎える『NTTダービー』に、集中力はまた高まりそう。