関東大学リーグ戦1部で昨季7位と低迷した大東大は、22日、埼玉・熊谷ラグビー場で同6位の中大との初戦に臨む。16日に開催予定も、台風のため順延となっていた。PR高橋洋丞主将は、強烈なキャプテンシーと持ち前の運動量で船頭役を務める。
「やるからには、勝つチーム、勝てるチームを作っていきたい」とPR高橋主将は言う。前年度のシーズン終了後、青木忍前監督から大役を任された。以降、チームに勝者の文化を植えつけたいと必死だ。個々が献身的になれるよう、それまでは下級生が行っていた選手寮の掃除を全学年で行うことにした。練習中も、とにかく声を張る。
「最低限のところを厳しくしていけば、少しずつはレベルアップする。自分のなかでは、積極的ではないミスがあった時にはガツンと言おうかな、と思っています。厳しいかもしれないですが、それでチームが勝てるならいい。勝てないのは一番つまらない。いらない伝統を壊して、いい伝統を残していきたい」
埼玉の正智深谷高出身。身長179センチ、体重109キロの体躯で縦横無尽に駆け回る。その豊富な仕事量で、7人制日本代表など選出経験のあるNO8長谷川崚太ら突破力あるランナーを支えたい。
「自分としては、『PRだからディフェンスができない』と思われるのが嫌。BKラインに入ってもしっかりBKを止められる、外国人のようなPRになりたいです。(攻撃では)自分が行ける時は1歩でもゲインして味方のサポートを待つ。ボールを持っていない時はオーバー(接点へのサポート)について味方を支えてあげる。それがPRなのかなって」
1986、88、94年度は大学選手権優勝を果たした大東大だが、近年は下部との入れ替え戦に出場するなど低迷している。今季は、日本最高峰トップリーグのパナソニックでフィットネス&ストレングスコーチだった青柳勝彦監督が就任。前に出る守備システムと継続重視の攻めで、大学選手権4強入りを狙う。主将が心待ちにする初戦は、13時にキックオフ予定だ。
(文・向風見也)