東芝のゲームキャプテンを務めた望月雄太(撮影/松本かおり)
【ジャパンラグビートップリーグ2013-2014 第1節】
2013年8月31日/東京・秩父宮ラグビー場
東芝 10-8 キヤノン
7点差を追う昇格2年目のキヤノンは、後半12分、一気に3人のメンバーを入れ替える。酷暑の芝の上で両軍の足が止まるなか、LOアダム・トムソン、CTBアイサイア・トエアバといったニュージーランド代表経験者らの活力に背中を押された。
細かいパスを散らし、敵陣22メートルエリアへ入った。最後は、WTB和田拓主将が「去年より身体が切れている」と期待する入部2年目のトエアバのラストパスが、WTBハビリ・ロッキーのトライを生む。8-10。2点差に迫る。
一方、力強さを長所に4季ぶりの王座を狙う前年度準優勝の東芝は攻め続けながらも落球と反則を重ね、辛勝も、消化不良気味だった。
改善点はどこに。
日本代表主将、この日リーグ戦100試合出場に達したWTB廣瀬俊朗は語る。「あまり僕が言うのは」とチームのリーダー陣を気遣いつつ、「選手の規律とメンタル。しんどい時に疲れた顔になって、向こうのパワーが出た。そこをシャットダウンする雰囲気を作っていきたい」と。
挑戦者陣営が「次に繋がる」と前を向き、強豪の一角は「勝って反省できる」と前を向いていたのだった。
(文・向 風見也)