マディバマジック、再び
(撮影:BBM)
南半球4カ国対抗戦(ラグビーチャンピオンシップ)が8月17日に開幕し、南アフリカのソウェト(FNBスタジアム/サッカーシティ)で行われた試合は、南アフリカ代表が73−13でアルゼンチン代表を圧倒した。
南アの民族融和の象徴であるネルソン・マンデラ元大統領に敬意を表し、同国の2大スポーツであるサッカーとラグビーの代表チームが、同じ会場でダブルヘッダーを実施した歴史的一日。先にブルキナファソを倒したサッカー南ア代表のバファナバファナに続き、ラグビー南ア代表のスプリングボックスも誇りを胸に全力でプレーし、現在、病床で闘い続けている危篤状態の英雄“マディバ”に勝利をプレゼントした。
世界ランキング2位の南アフリカに対し、同10位のアルゼンチンは最初の約30分間こそ競ったものの、格が違った。
9−6、南アの3点リードで迎えた29分、ゴールを背に守るアルゼンチンのHOエウセビオ・ギニャスが故意の反則を犯し、ホームチームにペナルティトライが与えられてから、一方的なゲームとなる。
南アは32分、自陣22メートル内でのターンオーバーから、カウンターアタックでFBヴィリー・ルルーが巧みにチップキックを使い、ボールを確保した13番のJJ・エンゲルブレヒトが約60メートルを走り切ってリードを拡げた。
26−6で始まった後半の46分には、ゴール前のモールからHOアドリアーン・ストラウスが抜け出し、南アが追加点。52分にもラインアウトからモールドライブで押し込み、スプリングボックスは4トライ以上によるボーナスポイントを獲得した。
その後、主将のCTBジャン・デヴィリアスや、南ア代表歴代最多トライゲッターで非白人のビッグスターであるWTBブライアン・ハバナもインゴールへ走り抜け、グリーン&ゴールドの男たちは計9トライ。脇役で目立ったもうひとりは、2年ぶりに南ア代表へ復帰したサントリーサンゴリアス所属の31歳SH、フーリー・デュプレアで、後半から出場し、62分、ゴール前のラックに素早く駆けつけ、ピックアップからラインを越えて仲間の祝福を受けた。
一方、大敗したものの、試合終了直前にCTBフェリペ・コンテポーミ主将のトライで一矢報いたアルゼンチン代表。地元メンドーサに戻り、来週24日に再び南ア代表に挑む。昨年の初参戦以来、ニュージーランド代表、南アフリカ代表、オーストラリア代表という世界3強相手にいまだ白星を手にしておらず、歴史的勝利が期待されている。
4カ国によるラグビーチャンピオンシップはホーム&アウェイ方式で、10月5日まで行われる予定。