ソニービル・ウィリアムズ級の興奮をもたらすかもしれない、超大物のコードスイッチだ。ラグビーリーグ(13人制)のビッグスターであるベンジー・マーシャルが、ニュージーランドのオークランドを本拠地とするスーパーラグビーチームのブルーズと、来季からの2年契約を結んだことが明らかになった。10日、『YouTube』のブルーズ公式チャンネルで本人が意気込みを語った。
マーシャルは、ニュージーランド北島ベイ・オブ・プレンティ出身の28歳。15歳のときにラグビーリーグの奨学金制度を利用してオーストラリアへ渡った。
ウェスツ・タイガースに入団し、18歳のときに、13人制の世界最高峰リーグともいえる「NRL」でデビュー。約11年間、タイガースの中心選手として活躍し、トライ数と得点のチーム歴代最多記録を持つ。母国代表にも選ばれ、テストマッチ27試合に出場、2008年のラグビーリーグワールドカップで初優勝に大きく貢献した。さらに、2009年から2012年にかけてザ・キウィズ(13人制ニュージーランド代表)の主将を務めた、頼もしき天才的フットボーラーだ。
マーシャルをめぐっては、スーパーラグビー豪州勢のワラタスとメルボルン・レベルズも獲得に動いていたが、本人は幼い頃からの夢だったオールブラックス入りに強い意欲を持っており、ブルーズとの契約を選んだ。一部メディアによれば、年俸約50万NZドル(約4000万円)で合意に達したという。もちろん、2015年ワールドカップ出場も視野に入れてのチャレンジだ。
ラグビーリーグ界の大スターだが、ニュージーランドの学生時代はU16レベルまでユニオン(15人制)でプレーしていた。身長182センチ、体重93キロと大柄ではないが、ステップワークとパスを武器に、突破やゲームメイクでスタジアムを沸かせるマジカルアタッカー。SO、インサイドCTBでもプレー可能だが、ブルーズのジョン・カーワン ヘッドコーチはFBとしての起用プランを描いているようだ。
来週開幕するITMカップ(ニュージーランド国内選手権)で15人制の新たなスタートを切るという噂もあったが、同大会は不参加が濃厚。
ジェイソン・ロビンソン(元イングランド代表)、ブラッド・ソーン(元ニュージーランド代表)、ソニービル・ウィリアムズ(元ニュージーランド代表)、ロテ・トゥキリ(元オーストラリア代表)など、15人制でも大活躍したラグビーリーグ出身者は確かにいるが、ウェンデル・セイラー(元オーストラリア代表)、レズリー・ヴァイニコロ(元イングランド代表)などユニオンで才能を爆発させることができなかった13人制スターも多い。
競技転向を決断したベンジー・マーシャルの挑戦。間違いなく、来年のホットトピックになりそうだ。