関東大学対抗戦Aで昨季4位だった早大は、前年度までCTBの布巻峻介がFLに挑戦中だ。将来の日本代表入りのためにコンバートを決意した身長178センチ、体重90キロの新3年生は、6月下旬から2つの練習試合で途中出場。後藤禎和監督は「1人入るだけで3〜5人いるような心強さがある」と太鼓判を押すが、右ひざの負傷から復帰したての本人はまだまだ本調子ではないことを匂わせた。
6月30日、神奈川・ニッパツ三ツ沢球技場。大学選手権4連覇中の帝京大に17−22と惜敗した際、FL布巻は「途中で足が動かなくなって、チームの役には立てなかった」と吐露。この日は激しいタックルで相手の出足を止めるなど奮闘したが、「(相手)ボールも全然、獲れなかった」と振り返った。今後の課題を聞かれると、「余裕」を持ってプレーしたいと答えた。タフな状況下でもグラウンド全体を俯瞰できるようになりたい、という意味だ。
「やっぱ、自分が入ったブレイクダウン(球を奪い合う局面)では球を獲る、遅らせるということをしないとダメ。いまは全てのプレーに余裕がない。もちろん(1つひとつのプレーを)一生懸命やるんですけど、そのなかでも余裕ができれば(試合の)全体が見えるし、それによって違うところにも目を向けられるのかな、と。余裕を持つために、もっと力、スキルを付けないといけません。一生懸命になってしまうということは、相手より優位に立っていないということでもあるので」
チームは8月9日から30日にかけ、長野・菅平で合宿を行う。
(文・向風見也)