日本最高峰ラグビートップリーグ(TL)に所属するNECの新人PR榎真生は6日、 シドニー・ANZスタジアム(オーストラリア)で、創部150周年を迎えたシドニー大学ラグビークラブ(シドニーユニ)の記念試合に世界学生バーバリアンズ(世界学生)の左PRとして先発。日本人唯一の出場を果たしたこの一戦は、オーストラリア代表とブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズとのゲームの前座だった。PR榎は「僕らの時はそうでもなかったですけど、2試合目は8万人が満員。ヤバかったです」と興奮気味に振り返った。
イギリス、アイルランド、ニュージーランド、南アフリカ、オーストラリアなど各国の選手が集う世界学生。4〜5月に来日したニュージーランド学生代表と同じスティーブ・サリッジが指揮を執っており、関東学生選抜として対戦したPR榎が選出された。
「1人で行って、1人で帰ってくる、と。向こうで1週間ぐらい生活したんですけど、まず英語が全然。次の日のスケジュールもわからないし、全体ミーティングが終わってから、ボディーランゲージで聞きました」
世界学生バーバリアンズには、名門ケンブリッジ大の主将である右PRウィリアム・ブリッグスや、7人制ニュージーランド代表歴のあるNO8ポール・グラントがいた。そのため、個々の能力差では見劣りしなかったとPR榎は言うが、組織力と練習量の差が出て20−34で惜敗した。
「(個人的には)やっぱり1対1は勝てないと感じましたね。タックルもぎりぎり(敵を止められる程度)だったし、アタックでゲイン(突破)はできるけど、相手を飛ばしたりとかはできない。でも、スクラムは、負けなかった」
8月30日開幕のTLで、貴重な経験を活かせるか。
(文・向風見也)