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【RWCセブンズ現地発】サクラセブンズは「世界一の運動量とチームワーク」で挑む。

2013.06.29

試合前日の女子7人制日本代表。「私たちは泥臭いプレーしかできない」と浅見ヘッドコーチ

 

 太陽が照りつける。夜の10時過ぎまで明るい。蒸し暑い。そんなモスクワで、熱戦が始まった。6月28日に開幕したセブンズ・ワールドカップ。まずは男子24チームが1試合ずつを戦った。きょう(29日)は、女子もいよいよ開幕する。

 

 イングランド、ロシア、フランスと同じプールDに入った。初戦の相手は地元のロシア(日本時間/16:34キックオフ)。28日、開幕を翌日に控えた女子セブンズ日本代表は、午前中に1時間ほど練習した。動き続ける。パスを多く使う。ボールを大きく動かしたり、タテに出たり。これまでやってきたことのおさらいを繰り返した。あとは、自信を持つ「世界一の運動量」を出し切るだけだ。

 

 練習の最初には、ウォームアップ代わりに、スタッフ全員も含めてのタッチフット。最後は、ここでも全スタッフも含めて円陣を組んだ。各選手、くり返し「世界一のチームワークも私たちの武器」と言い続けてきた。絆を確かめ合った。

 

 前回のワールドカップを経験している鈴木彩香は、自身とチームの4年前との違いを、こう話した。
「前は怖かった。初めての大会だったので、相手がどういうラグビーをやってくるのか分からないし、名前負けしていました。でも、今回は違います。相手のスタイルが分かる。どうしたら勝てるか分かります」
 自分の立場も変わった。「チームのことは先輩たちがやってくれて、自分のことだけを考えていればよかった」若き頃から、周囲に気を配り、束ねる存在へ。自覚も高まっている。

 

 浅見敬子ヘッドコーチはその存在を、「彼女が前に出ないとチームも出られない」と評した。
「以前は自分がやらなきゃ、というところもありました。でも、いまは周囲を活かすところは活かし、状況に応じてプレーしています」
 SOを務める大黒田裕芽はチームで最年少の19歳。その横で司令塔を安心させる。

 

 

 目標に掲げるトップ6を手にするためにチームの結束は高まっている。14人でやって来たモスクワ。選手登録が12人のため、兼松由香と竹内亜弥が登録外となった。しかし誰もが、14人の気持ちがひとつでも欠けたら成り立たないと思っている。チームでのこうどうはいつも14人一緒のままだ。

 

「対戦国すべてが格上。普通にやったら勝てない。(ゲームの)入りに集中します」
 そう覚悟を決める中村知春主将は、兼松や竹内の思いをよく知っているから思いを吐露する。
「ふたりの分もそうですが、(ワールドカップへの)切符をつないでくれた人たちは(以前のスコッドのメンバーや先人たちなど)たくさんいます。そのタスキをゴールまで運びたい」
 大会直前、全員が腹を割って話し合う機会を設けた。誰もが弱みをさらけ出すことで、互いの距離がさらに近づいた。そうなった集団だからこそ出せる力がきっとある。

 灼熱の暑さに見舞われるモスクワのことを、鈴木彩香は「(自身の学ぶ立正大がある)熊谷みたい」と笑った。女子日本代表だってアツい。モスクワをもっとアツくしたい。

 

 

 

 

 

 

 

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