日本最高峰ラグビートップリーグで昨季準優勝の東芝は29日、東京・府中の東芝グラウンドで、同6位のヤマハとの練習試合を35−12で制した。春からの鍛錬の成果をある程度は発揮したか。
試合は前半から3トライを挙げるなど終始主導権を握った。前半と後半の終盤には相手の連続攻撃で失点したとあって、和田賢一監督は「前半はいいラグビーができた。しかしトライされたところは規律が守れてなかった。そこはしっかりやりましょう」と気を引き締めるが、攻めの進化は再確認できたようだ。
今季のチームは、本来のチームカラーである「ブレイクダウン(ボール争奪局面)、フィジカル」の力を活かすべくBKラインが新たな陣形(シェイプ)形成に取り組む。「ブレイクダウンの推進力で前に出て、どうやって(空いた)スペースにボールを運ぶのか。大前提としては『ナチュラルにボールを運ぶ』だが、去年はそれがナチュラルすぎた。そこでスペースにボールを運ぶためのシェイプを作った」と和田監督。その成果は、前半23分のトライに現れる。相手キックを処理してのカウンター攻撃からボールを継続し、ハーフウェーライン付近左でWTB伊藤真が直進。ブレイクダウンを押し込むや右、右、とラックを連取する。最後は相手守備網の薄くなった右中間エリアを、新人CTB松延泰樹が駆け抜けた。
この日で春季の全日程を終了した東芝は、7月中旬から長野・菅平で合宿を行う。
(文・向風見也)