吉田光治郎
(撮影:BBM)
日本最高峰のラグビートップリーグで昨季5位のトヨタ自動車に所属し、今春の日本代表候補合宿に参加したFL吉田光治郎は、さらなるレベルアップで代表定着を狙う。
帝京大から入社3年目で25歳のFL吉田光は、若きオープンサイドFLとして期待される。身長180センチと決して大柄ではないものの、運動量と接点への鋭い飛び込みを長所とする。肉弾戦でのボール奪取能力には定評があり、昨秋、初の代表候補入りを果たした。
しかし、11月のジャパンの欧州遠征には帯同できず、今春の代表合宿も途中離脱を余儀なくされた。テストマッチ(国同士の真剣勝負)出場は、叶わないでいる。
本人は「(自分は)いまのベストではない、と。エディーさんには足りないところも教えてもらっている」と語る。昨季の記録上92キロとされる体重を増やしつつ、「僕の生命線」と自認するワークレート(仕事量)をより高めたいとする。一般的に、無闇に体重を増やせばスタミナやスピードの低下を招くこともある。そんななか、「フィットネスを上げながらパワーを付ける」とFL吉田光。「重くなって動けなくなったら意味がない。着々と、地道に、1日、1日(トレーニングを)積み重ねるしかない」と前を向いた。
将来性を見込んでFL吉田光を招集したジョーンズHCは、FW陣に筋量主体での体重100キロ以上を目指すよう伝えている。指揮官は「このチームにオープンサイドフランカーはいない。チーム全体でカバーする」と話し、今春のツアー終盤は本来ブラインドサイドフランカーなどを務めるマイケル・ブロードハースト(リコー)、ヘンドリック・ツイ(サントリー)が左右のFLに分かれプレーしている。
(文・向風見也)