日本最高峰のラグビートップリーグで昨季5位のトヨタ自動車は、14日、同王者のサントリーと練習試合を行い43−7で快勝した(東京・府中のサントリーグラウンド)。
サントリーは得意のアタックシェイプを形成して連続攻撃を仕掛けるも、攻め込んだ先の接点で再三、球を奪われる。トヨタ自動車はシンプルな攻めを続け、ブレイクダウン(ボール争奪局面)に相手を巻き込んでから空いたスペースへ効果的なパスを放った。勝った廣瀬佳司監督は「いまはまだラグビーの細かいところは(練習で)やっていないのですが、選手個々がいいパフォーマンスをしてくれた」と述懐した。
日本代表や外国人選手など、主力を大量に欠いているサントリーの大久保直弥監督は、「若い選手にはいいチャンスだったと思う」としながら、「やろうとしていることができる時とできない時に差がある。それがわかっただけでも。次につなげていくかどうかは自分たち次第」。要所で球を奪われたことについては、「トヨタさんのディフェンスがそこまで(接点に)絡んでこないところにこっちがオーバーコミット(多くの人間が突っ込む)。そうなると、次のフェーズでどっちが有利になるか…。選手にそういう話はしました」と、状況判断のエラーだと分析する。
「ラグビーは生きている。その状況のなかでどう判断し、ボールを運ぶかが大事。強度の高い疲れた状態で判断する力が、まだ、全体的には欠けているのかなと」
(文・向風見也)