第2回関東大学春季大会は9日、各地で9試合が行われた。大学選手権4連覇中の帝京大は、明大に74−14で快勝。前年度の上位チームが所属するAグループでの戦績を4勝とした(東京・八王子の帝京大グラウンド)。
帝京大は概ねペースを握っていた。前半2分にSO森谷圭介がゴールラインを割るや、その後も着実に加点。11分には敵陣22メートルエリア左スクラムから右へ展開、SO森谷を介してパスを受けたCTB権裕人が止めを刺した。SO森谷、CTB権らが中央で効果的な仕掛けを繰り返した結果、左大外のWTB磯田泰成が縦横無尽に走り、3トライを決めた。
前半23分には、敵陣ゴール前右での相手ボールスクラムで圧力をかけ、その先の接点でFL杉永亮太がターンオーバーする。出された球をもらって追加点を挙げたのは、起点のスクラムを左側から押したPR森川由起乙だ。対面の右PR松波昭哉が身体をスクラム中央へ寄せる癖に試合序盤で気付き、「右肩を突き出して(跳ね返す)」ように対応。フィールドプレーでも再三、鋭いランを繰り出した。
勝者は個々のフィジカルで優勢も、岩出雅之監督は「コンタクトゾーンでの凄みを出し切ればもっと変わっていく。(プレーの基準を)相手ではなく、自分たちの目指すものに合わせないと」。目先のスコアに左右されず、1対1の局面を圧倒する意識をより高めたいとした。「そんなに綺麗に(理想どおりに)はいかないよ」と指揮官は笑うが、ターゲットはシーズン終盤、日本選手権でのトップリーグ勢撃破だ。
一方、前年度は所属する関東大学対抗戦Aで帝京大、筑波大と優勝を分け合った明大は、1勝4敗で春季大会全日程を終えた。敗れた丹羽政彦新監督は「(帝京大のAチームは)フィジカルとボールコントロールの精度が違う。うちは局面が厳しくなると自分たちで活路を見出せない。現実を受け止める」と振り返った。
(文・写真/向風見也)