新たな人材を発掘したいと期待を込める太田治7人制日本代表チームディレクター
5月25日、パシフィック・ネーションズカップ初戦の日本×トンガが行われる。この週末は穏やかな天候に恵まれ、絶好のラグビー日和となりそうだ。
独特の緊張感があるテストマッチを堪能した翌日は、お祭り気分に浸りたい。5月26日には、秩父宮ラグビー場で『ウイダージャパンセブンズ 2013』が開催される。
森永製菓株式会社の特別協賛により、優勝チームには賞金も贈られる同大会(男子 カップトーナメント優勝:100万円、準優勝:30万円)。ラグビーとして国内初の賞金大会という話題性だけでなく、日本のセブンズの強化という面からも重要な大会だ。
現在フィジーへ遠征、現地で大会へ参加し、強化合宿を行っているセブンズ日本代表。そこに太田治チームディレクターが参加していないのは、『ウイダージャパンセブンズ 2013』を視察、新たな人材を発掘するためだ。6月末にロシア・モスクワで開催される7人制ラグビーのワールドカップ。男女7人制代表は、同大会へ出場する。例えば男子代表は、現地へ発つ直前に菅平で最後の合宿を行う予定がある。そこには最終スコッドより多くの選手を招集するから、選手にとっては最後のトライアルとなる。
「そういう予定になっていますから、この大会でよかった選手、代表に加えたいと思った選手は、6月の合宿にも来ていただく可能性がある。それは、そのままW杯への可能性も含んでいるということになりますね」
五輪競技採用が決まって以来、「選手たち自身の7人制ラグビーへの興味が高まっていると感じる」という太田チームディレクター。今後はより一層、そういう気運が高まると考える。現在は、選手のセブンズ熱とラグビー界の環境整備の足並みが揃っていないが、この先は時代の流れに合わせて変化していくはず。セブンズ代表首脳陣やファンへ、自身の可能性を伝える舞台となる『ウイダージャパンセブンズ 2013』は、セブンズ・スペシャリストへの道を模索する選手たちにとっては格好の舞台となりそうだ。
同大会には、ユニバーシアード出場を念頭に置いた男子7人制セブンズシニアアカデミー(日本協会推薦)も出場する。そこにはセブンズ日本代表首脳陣が各地のセブンズ大会を視察し、ピックアップした吉澤太一(立正大)など、まだ広く知られていない人材もいる。将来の日本セブンズ界を盛り上げていく可能性のある選手がいるのは、女子7人制セブンズシニアアカデミーも同じだ。トップリーグのスピードスターたちと、そんな原石が一日中ピッチを走り回る大会が、楽しくないはずがない。日曜日は、朝から秩父宮ラグビー場へ、是非。
『鉄人』松田努の最後の疾走を見られる。各チームのパレードが行われる。そして、トップリーガーやクラブチームのスピード自慢が競い合うような、滅多に見られない光景とも出会える。楽しみな一日のスタートは、5月26日の午前9時30分だ。