ラグビーリパブリック

ジャパンが再出発 17日に練習中断のジョーンズHCは何を考えるか

2013.05.19

 今季のアジア五カ国対抗(A5N)を優勝したラグビー日本代表は、3日間のオフを経て15日から合宿を再開。環太平洋諸国などとのパシフィック・ネーションズカップ(PNC)やウェールズ代表との2連戦を控え、エディー・ジョーンズ ヘッドコーチ(HC)は「これをしなければならないということが4つあります」と話す。



 17日、東京・上井草の早大グラウンドでの午前練習は、2時間程度の予定も約40分で切り上げた。選手間の連携不足が目立ったようで、指揮官は「私の問題です」と口にした。「選手たちが練習をするにあたり、その準備をしてあげられなかった」。翌18日、東京・府中のサントリーグラウンドでの午前練習前は、練習時の個々の動きや注意点をより具体的に説明。終了後、「もっと細部に気を払いました。選手も、何をしたいのかが今日はよくわかっていました」と振り返った。


 
 4月20日のフィリピン代表戦(○121−0/福岡・レベルファイブスタジアム)を皮切りに、A5Nでは概ね大差での勝利を重ねた。しかし、今後は相手が同格か格上にあたる。そんななか、ジョーンズHCは今後の注目点を「1.自分たちのアタックをやりきること。2.セットピースを上手く行う。3.(堅実な守備で)相手のアタックを2フェーズで封じ、キックをさせる。4.自陣から脱出する」と掲げる。



 指揮官は(1)について、「そこは自分たちの持ち味。テンポを上げる」と説明。(2)のセットプレーに関しては、マルク・ダルマゾ スポットコーチが課題であるスクラムを細部に至るまで指導している。



 全体練習では(3)の遂行のため、皆で声を掛け合い素早く守備網を張る意識が徹底された。元総合格闘家の高阪剛スポットコーチによるタックルのセッションも、(3)の実現を支えるか。(4)に関しては、「セットピースをうまく行い、相手をプレーしたくないところへ誘い込む」とジョーンズHC。練習では、敵の司令塔を接点に巻き込んでからロングキックを蹴るまでの流れを確認していた。



 チームは5月25日のトンガ代表とのPNC初戦(神奈川・ニッパツ三ツ沢球技場)以降、5週間で6つのテストマッチ(国同士の真剣勝負)をこなす。途中の6月8、15日には今季の欧州6カ国対抗を制したウェールズ代表と対戦(それぞれ大阪・近鉄花園ラグビー場、東京・秩父宮ラグビー場)。ジョーンズHCは「2つのウェールズ代表戦の時を、フィジカルコンディションのピークとしたい」と語った。


(文・向風見也)


 



エディー・ジョーンズ 日本代表ヘッドコーチ
(撮影:BBM)

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