「HSBC アジア5カ国対抗 2013」ですでに6連覇を決めていた日本代表は現地時間10日、同大会最終戦としてドバイでUAE(アラブ首長国連邦)代表と対戦し、93−3で大勝した。WTB今村雄太(神戸製鋼)の4本を筆頭に計15トライ。ゲームキャプテンを務めたNO8菊谷崇は3トライを挙げて日本代表通算トライ数を31とし、増保輝則氏(早稲田大〜神戸製鋼)の29を抜いて、代表通算トライ数歴代3位となった(1位は大畑大介氏=元神戸製鋼の69トライ、2位は現役WTB小野澤宏時の55トライ)
先発したCTBクレイグ・ウィング(神戸製鋼)のほか、リザーブだったルースFW安井龍太(神戸製鋼)、SO/CTB中村亮土(帝京大)も途中から出場し、テストマッチ初キャップを獲得している。
エディー・ジョーンズ ヘッドコーチ率いる日本代表が次に狙うのは、パシフィック・ネーションズカップ(PNC)。5月25日の対トンガ代表戦(神奈川・ニッパツ三ツ沢球技場)を皮切りに、6月1日は敵地でフィジー代表と対戦する。
そして6月8日(大阪・近鉄花園ラグビー場)と15日(東京・秩父宮ラグビー場)は、「リポビタンD チャレンジ 2013」としてウエールズ代表に挑戦。その後、同月19日にPNC・カナダ代表戦(愛知・瑞穂公園ラグビー)、23日にPNC・アメリカ代表戦(東京・秩父宮ラグビー場)と続く。
<ヘッドコーチ、選手のコメント>
■エディー・ジョーンズ ヘッドコーチ
アタックやブレイクダウンなど、いいところもいくつかあった。しかし、相手は世界ランク96位のUAEなので、興奮できるようなことではない。次の大会に向けて、どう集中していくかが重要。選手たちはこれまでハードなトレーニングをしてきたが、UAE相手の試合では、まだ選手がどれくらいのレベルなのかは測れない。自分たちよりも上のランクのチームに勝つことが今後のビッグチャレンジだ。
■菊谷崇 ゲームキャプテン
試合の立ち上がりはインゴールまでボールを持っていったがトライを取りきれず、なかなか波に乗れなかった。しかし、時間の経過とともにコミュニケーションのレベルが上がり、日本代表が目指すラグビーができるようになったと思う。後半はフレッシュなメンバーが入ってきて、トライを重ねることができた。後半も取り切れない場面が何度かあったので、PNCに向けて練習を積み重ねていきたい。
■今村雄太
チーム全体にミスが多く、リズムに乗り切れなかったが、いいアタックができた時はいいトライも取れていた。PNCに向かってまだまだ課題があるので、修正していきたい。(自身の4トライは)FWがハードワークしてBKがいいパスをつなぎ、最後に自分のところにボールがきたのをトライしただけ。チームプレーの結果です。
■安井龍太
試合に出られたことは純粋にうれしい。(後半22分の)トライは無心でプレーした結果で、特に意識していたわけではない。失うものは何もないので、アピールするというよりも、自分自身で満足できるプレーを思い切ってやることを心がけた。
■中村亮土
初キャップは素直にうれしい。日本代表での最初の試合で、迷うことなく思い切ってプレーすることができた。まずボールキャリアとして前に出ることを意識した。試合の中で良いところと悪いところが出たので、さらに高いレベルでやっていくためにこれからも努力していきたい。
■クレイグ・ウィング
とてもうれしい。アジア5カ国対抗ではチームにあまり貢献できなかったので、PNCに向けてこれからもっと貢献していきたい。(日本代表として)国際試合にデビューできて、とても誇りに思っている。優勝トロフィーも持つことができた。
■内田啓介
久々の試合だったけれど、最初から最後まで楽しめた。最初の苦しい時間帯は自分のプレーが全然できなかったが、そこが課題ということがわかったので、次につなげていきたい。