<アジア五カ国対抗 2013>
日本 64 − 5 韓国
(5月4日/東京・秩父宮ラグビー場)
日本代表CTB立川理道
(撮影:松本かおり)
CTB立川理道の本能が、ファン待望のシーンを作った。序盤、韓国が敵陣深くまで攻める。その先々でタックルしたのが、CTB立川だったのだ。「勝手に(ピンチの場所に)動く」。続けて自陣ゴール前右の接点へ駆け込む。ちょうど球を奪ったところのFB五郎丸歩を助け、味方のアタックを促す。最後は左の大外で待つ20歳のニュースター、WTB福岡堅樹が向こう側のゴールエリアまで快走するのだった。
チームは課題を残した。組織的で休みのない攻撃を目指すも、ボールの出どころに絡みつく韓国FW陣を押し込めず、足止めを喰らったりした。エディー・ジョーンズ ヘッドコーチが「もっと強くならなければ」と話すなか、LO大野均も「精度はまだまだ」。ランナーへの低く素早いサポートをより徹底したいと語る。
10日の敵地でのUAE戦後はそれまでの猛練習の疲れを癒すが、5月下旬からはウェールズなどの格上と対峙する。この先の相手が韓国と似た力勝負を挑めば、日本も苦戦は免れまい。ただ、彼我の実力差とは無関係に働くCTB立川の危機察知能力は、そんな舞台でこそ深い意味を持ちそうだ。
(文・向風見也)