ラグビーリパブリック

序盤に集中力。ジャパン、韓国を圧倒しアジア五カ国対抗優勝。

2013.05.04


前半36分にトライを奪ったWTB藤田慶和。(撮影/松本かおり)


 


 


 若い。速い。両翼が躍動した。福岡堅樹、藤田慶和の両WTBが揃って先発でピッチに立った。
 5月4日、秩父宮ラグビー場。HSBCアジア五カ国対抗2013第3戦、日本×韓国は64-5(前半/40-0)で日本が大勝した。UAE戦を残した現時点で優勝も決まった。


 



 2人で奪った3トライ。最初に走ったのは左の翼だ。
 前半6分、ジャパンは韓国陣内で攻撃を重ね、福岡がフィニッシュした。そして9分過ぎには、自陣深くからの攻撃を仕上げる。韓国の連続攻撃をFB五郎丸歩がターンオーバーした切り返しに反応。速攻で左ライン際に運ばれたボールを手にすると、長い距離を走りきった。
 その直後には、相手のアタックを止め、自らターンオーバー。そこからトライラインを目指してロングランをするシーンも巡ってきた。しかし、そこではタッチに押し出される。
「一度スピードを緩め、そこからの加速で抜こうと思ったけどうまくいかなかった(笑)」
 エディー・ジョーンズヘッドコーチは、「インターナショナルレベルに慣れるまでは、もう少し。トップスピードを繰り返すことができるようになってほしい」と語った。


 



 藤田の見せ場は、前半36分に巡ってきた。右タッチライン際でフリーになる。巧みなパスダミーから再加速。ディフェンダーを外に振り切った。
 ただ、本人は試合後のインタビューで、「国際レベルではまだまだ。もっとボールタッチを増やさないといけないし、やらないといけないことはたくさんある。がんばります」と、浮かれることはなかった。ジョーンズHCは、「前回の試合(香港戦)より状態が上がった。いいカムバックができたと思う」と評価した。


 



 開始10分までに3トライを奪うなど、序盤に集中力を見せて快勝したジャパン。ジョーンズHCも、思うほど得点が伸びなかった後半に目を向けるより、これまでの課題をクリアしたことを高く評価した。
「後半に停滞した時間は確かにあったが、それより、いいところもたくさんあった。相手はボールを停滞させようとしたが、その圧力に勝った。ボールがよく動き、前に出続ける、いいトライも見られた。完璧な試合がいちばんだけど、それより自分たちのプレーを出すことが大事。チームが正しい方向に向かっていることが分かった試合」
 菊谷崇主将も「韓国のブレイクダウンへの激しさは、過去2試合よりはるかに上だったけど、前半から力を出せたことは評価できる」と語り、ふたりとも、「ラスト20分で差を見せつけることになる」(ジョーンズHC)という予想が外れたこともまったく意に介さなかった。


 



 

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