筑波大の先制トライは前半6分。HO村川がモールから飛び込んだ(撮影/福島宏治)
4月27日の大東大×関東学大(36-27)で開幕した関東大学春季大会。2日目の28日には、昨シーズンの大学選手権ファイナリストが登場した。
ホームに明大を迎えた筑波大は45-0と圧倒的内容で大勝した。相手FWの数人が TIDシニアキャンプ(U20)参加しているとはいえ、ブレイクダウンで圧倒。試合を通じてポゼッションで大きく上回り、紫紺につけいる隙を与えなかった。FL元田有祐をはじめとしたファーストタックラーも激しく前に出て、ディフェンスからテンポを作るスタイルを顕著に示した。
前後半で奪ったトライは7つ。ターンオーバーをきっかけに奪ったものも多かった。SH内田啓介主将やWTB福岡堅樹が日本代表に招集され、ルーキーSO山沢拓也も TIDシニアキャンプへ参加と欠けているメンバーも数人いたが、SH吉沢文洋−SO片桐康策の飯田高校出身コンビが積極的なゲームスタイルを実践。インサイドCTBで出場した竹田祐将は、自らのプレーについては「内を攻めるか外を攻めるか、コントロールがまだ不十分」と辛口だったが、「常に全体で前に出られていたからこういう結果になった」とチームの成長を肌で感じていた。
試合後、古川拓生監督もチームの充実に目を細めた。
「相手が持ち込んだブレイクダウンで、ボールが見えるケースが多々ありましたが、それを逃さずチャンスに結びつけられたと思います」
また、アタックを継続できた質の高さにも触れ、「まだ昨年ほど走っていないのに、孤立することが少なかったですね。その精度の高さが試合を助けた」。
「春はゲームの中でいろんなプレーの精度を高めていきたいと思っていますが、去年と同じものを高めるだけではダメです。昨年のチームを越え、新しいことを求めていきたいと思っています」
才能ある新人たちも加わったことで、チームは刺激に充ちている。
「ポジション争いはが、去年までよりとても激しくなっています。誰がどういうプレーを見せるのか、どうアピールしてくれるのか、そういう楽しみもある」
今回の明大戦に関しては、急なAチーム起用にも期待以上の結果を残したPR加藤進太郎のパフォーマンスを高く評価した。
一方、初采配となった試合で完敗を喫した丹羽政彦新監督は、「これがいまの実力。低いプレーができない。ロータックルには入れない」と言った。
「まだ、昨年のクセが残っている。いま明治がやろうとしている新たなスタンダードをこれから徹底していきたいですね。春は、個々のレベルを上げて、ゲインラインにアタックし、ゲインラインの前で止めるというスタイルを高めていきたい」
地道に積み上げていくことを誓った。
ジャパンへの合流直前まで試合を見つめた内田啓介主将(撮影/福島宏治)