昨季関東大学リーグ戦1部で6位だった中大は、27日に各地で開幕する第2回関東大学春季大会の2日目に登場。チームは今季から就任した酒井宏之ヘッドコーチ(HC)のもと、意識改革に取り組んでいる。
春季大会では、対抗戦とリーグ戦の計18チームが前年度の成績により3組に分かれて総当たり戦を行う。中位陣によるBグループに入った中大は28日、東京・八王子の中大グラウンドで同リーグ戦1部の昨季4位だった法大と対戦。相手の指揮官は、東福岡高監督として全国高校大会3連覇を達成した谷崎重幸新監督だ。
大東大4年だった1994年度に大学日本一となった酒井HCは、リコーでともにプレーした松田雄監督に誘われて今春から入閣。同時に、全部員に毎朝7時からの散歩を課した。「試合は昼にある。朝から規則正しい生活をする。何かあったらそこへ戻すというルーティーンを作りたい。学生でも意識はプロであるべき、と」。いま、散歩はランニングとなった。就任前の中大を見て「力はあるけど、負けの文化もある。それを勝ちの文化に変えたい」。7人制日本代表のFB羽野一志や20歳以下日本代表候補のWTB高悠也ら好選手を揃える。あとは生活面を整備すれば、組織力向上が見込めると感じた。チームは始動して間もないが、確かな手応えを感じでいる。
「グラウンド以外のことが重要。仲間を裏切るな、時間を守れ、風邪を引くな…。こういうお父さんやお母さんが言うようなことを、学生のなかで言っていかないと。辛い練習になるとダレて、(走り抜けるべき)ラインをまたがないやつが出てくる。最初は僕もそれを口を酸っぱくして言ってたけど、いまは学生の方から『おい! またげ』と声が出る」
個々に緊張感を持たせるとの意味でスローガンを「プレッシャー」とした。目標は、大学選手権4強以上だ。
(文/向風見也)