<アジア五カ国対抗 2013>
日本 121 − 0 フィリピン
(4月20日/福岡・レベルファイブスタジアム)
ラン、パスともに指揮官の評価高い立川理道。バックラインでの存在感は増す
(撮影:BBM)
やっと球が繋がり出した前半26分、昨季に引き続き多角度的な攻めを目指す日本は、相手の死角をつく突破から敵陣ゴール前で接点を作る。そこへ、対するフィリピンの面々が一気になだれ込む。ターンオーバー。パスを捌こうとするも姿勢を崩したSH日和佐篤は、「もっと2人目が速く寄らないと」。あえて課題を口にした。魅力的な攻撃を貫くべく、肉弾戦での技を磨いて迎えた今季の初戦、序盤はボール保持者を助ける「2人目」の動きの質が、雨で滑りやすいボールをより扱いにくくさせたか。姿勢の高いランナーも向こうの餌食となった。
力業で点数を重ね、中盤からは選手同士の横の間隔を狭めて理想の戦法を実現した。121−0のスコアにエディー・ジョーンズ ヘッドコーチは笑顔だった。しかし、「本来160点は行けた。(接点での)課題をクリアしたい」とも。
光明は、皆が課題をわかった上で前向きに進んでいることにあろう。また、さらなる収穫は、低調なムードを支えうる人の存在だ。CTB立川理道。仲間がミスした直後や危機の続く折、大抵この人がタックルに走った。
(文・向風見也)