ラグビーリパブリック

東海大仰星が大阪朝鮮をかわして決勝へ  CTB池田が軽やかに駆ける

2013.04.06

<第14回全国高校選抜大会 準決勝 1>
東海大仰星 31 − 12 大阪朝鮮
(2013年4月6日/埼玉・熊谷ラグビー場)


 


 


 風下の前半、長いキックで陣地を取る東海大仰星高に対し、大阪朝高は迫力ある守りで抗う。7点ビハインドで迎えた25分、自陣ゴール前。相手の連続攻撃のテンポが遅れるや、皆で束となり突っ込み接点での反則を誘う。チャンスを逃した教え子を、土井崇司監督は「恐る恐るやっていた感じ」と見ていたものだ。
 が、続く26分、敵陣中盤右のスペースをCTB池田悠希が射抜く。前に出る守備の背後で球を受け、追いすがるタックルもひらひらと避けた。トライ。12−0。先程まで難儀していた守備の盲点を見つけ、攻め入る。そんな次善策を、若者だけで打ち出していた。指揮官は頷く。
「これがアカンかったらあの手、この手をと。賢いです。今年のチーム」
 殊勲のCTB池田は高井田中時代、バスケットをしていた。身長184センチ、体重86キロと大柄でありながら、対面の当たりを巧みにかわす感覚を持つ。
 前半終了間際は、自陣へ蹴られた球を捕る仲間の逆側に立つ。「前が空いてた」からとパスを呼ぶ。細かく刻むステップで左タッチライン際を快走。援護につく味方が右へ展開し、この日の決勝点を導くのだった。


(文・向風見也)


 

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