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慶大 宮川主将とエース候補の児玉 2年間の苦しみをどう活かすか

2013.03.25

 関東大学対抗戦Aに所属する慶大は2013年度、大学選手権での4強以上を目標とする(前年度はセカンドステージ敗退)。1年目から試合出場もここ2年間は3軍以下に格下げされることもあったSO宮川尚之主将とWTB/FB児玉健太郎は、ラストシーズンに賭ける。



 成蹊高出身で果敢な仕掛けが長所のSO宮川主将、小倉高出身で大きなストライドでの走りが魅力のWTB/FB児玉。2010年度は当時の林雅人監督(現NTTコム監督)に攻撃力を評価され、ともに新人ながら1軍入りを果たした。しかし、指揮官交代を経て運命は暗転する。11年度から2季務めた田中真一監督は、「心技体の揃った、チームの代表にふさわしい人間がジャージィを着るべき。『強けりゃ試合に出られる』では誰も頑張らなくなる」。2人は指揮官との意思疎通を乱し、メンバー落ちする機会が増えた。SO宮川主将こそ昨季終盤に先発の座を勝ち取るも、WTB/FB児玉は3年時の春から夏に至っては事実上の活動停止処分を受けた。「苦しい場面もあったけど、試合に出れないことで仲間に支えられていることを学べた」とSO宮川主将が言えば、WTB/FB児玉は「処分を受けたことは残念でしたけど…。僕も反省するところもあった」と振り返る。



 新たに就任した和田康二監督は「ここ2年間、何があったか。知っている部分もありますけど、それを気にしても仕方がない。いまの時点で、誰がケイオーのジャージィを着るにふさわしいものを持っているか。それを見てゆくだけ」と話し、SO宮川主将は「1日1日の練習が大学選手権の準決勝や決勝に繋がっている。皆には常にそう意識させ、練習に取り組んでいます」と前を向く。WTB/FB児玉は謹慎期間中、体重を6キロ増の83キロとした。本人によれば筋量のみがアップしたといい、「悔しい思いをした分、今後の僕のエネルギーになる2年間だった。チームの歯車として機能していきたい」と今後の飛躍を期す。


(文・向風見也)


 

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