グルジア戦でハットトリックを決めた羽野
(撮影:出村謙知)
男子7人制日本代表、ロンドン行き切符に王手——。
香港セブンズ2日目。
日本は大会2戦目となるジャマイカ戦に43—0で快勝し、この時点で大会最終日に行われる準々決勝進出が確定。
さらにグルジアにも羽野一志の3トライなどで26—7で逆転勝ちして、1次リーグF組を1位通過(3戦3勝)。24日に行われる昇格予選大会準々決勝で再びグルジアと対戦することが決定した。
同試合に勝てば、5月11、12日にロンドンで行われる、来季のワールドセブンズシリーズでのコアチーム入りを争う昇格決定大会への出場権を獲得することになる。
まるで前日の大会初戦、ブラジル戦のリプレーを見ているかのようだった。
大会2日目、24日11時56分にキックオフされたジャマイカ戦。
日本は試合開始のキックを桑水流裕策がタップしてキープ。左サイドをシオネ・テアウパが走り切って、いきなり先制する。
「初戦同様、入りが良かった」(瀬川智広ヘッドコーチ)
初戦と違ったのは、その後の展開。
2分に成田秀悦の好走から再び左隅に飛び込んで連続トライ。
ジャマイカに前半だけで2枚のイエローカードが出たこともあって、自分たちのペースで攻め続けた日本はハーフタイムまでに5トライを重ねる猛攻ぶり。
後半は攻めながらのミスが響いて、2トライにとどまったものの、43—0で圧勝した。
前半3分には自らトライも奪った坂井克行主将は「昨日の試合よりジャパンのスタイルが出た」と、調子が上向きになっていることに手応えを感じながらも、「この程度では誰も満足していない」と、チームの雰囲気を代弁。
ここまで圧倒的なキックオフでのボール再確保率を見せる桑水流も「キックがいいから」と、少しも浮かれることなくチーム力を強調。その一方で、瀬川HCは続く1次リーグ最終戦のグルジア戦に向けては、「キックオフが同じところにばかり蹴っているので、もう少し蹴り分けをしていく必要がある」ことを修正点のひとつに上げていた。
実際、グルジア戦では、試合開始のキックオフをグルジアにキープされてそのまま先制トライを奪われる厳しい展開となる。
チームが間違いなく力をつけていることを実感させたのは、ここで「誰も焦ってなくて、すぐに切り替えられていた」(坂井主将)ところ。
それは、2人の大学生のプレーに象徴されていた。
3試合連続先発となった羽野は「ようやく自分の調子が出せた」という言葉どおりに、前半5分、後半3分、5分と3トライを重ねて、勝利の立役者に。
一方、ジャマイカ戦での成田の負傷退場によって初先発となった原田季郎も、前半終了間際に敵陣22m内のPKから「思い切り勝負してこいという感じになっていた」と、ショートサイドに仕掛けてゴールに迫り、ロテ・トゥキリの勝ち越しトライにつなげた。
成田に続いて、グルジア戦ではここまでで6トライを挙げてきたテアウパも負傷退場。
「3週間、合宿みんなでやってきて、それだけの準備をしてきた。替わりを果たせるメンバーが揃っている」と、坂井主将はチームで勝つことを強調。
「ゲームの入りが全て。キックオフをいい状態で迎える」(瀬川HC)
ロンドン行き切符をかけたグルジアとの再戦は、香港時間の10時03分(日本時間11時03分)キックオフ予定となっている。
(文・出村謙知)