冬の花園を制した常翔学園(紺)は近畿高校大会1回戦で伏見工に勝利
(撮影:直江光信)
3月30日に埼玉県熊谷ラグビー場で開幕する全国高校選抜大会の、残り5つの出場枠をかけた伝統の第64回近畿高校大会が20日、兵庫県神戸市で開幕した。初日の1回戦8試合に続いて22日には2回戦4試合が行われ、御所実業(奈良)、大阪朝高(大阪)、大阪桐蔭(大阪)、東海大仰星(大阪)が勝利。準決勝に進出したこの4校がまずセンバツ出場を決めた。残る1枠は選考委員会によって協議され、今大会で8強入りした常翔学園(大阪)が近畿地区第5代表として春の全国大会に出場する。
好カードが相次いだ20日の1回戦では、常翔学園と伏見工業(京都)が激突。昨冬の花園ベスト8で死闘を繰り広げた両校のいきなりの再戦に多くの注目が集まった。試合は1対1の接点で優勢に立った常翔学園が序盤から主導権を掌握。雪辱に燃える伏見工業の懸命の攻守に苦しみながらもしぶとくスコアを重ね、19−10で振り切った。昨年の花園優勝チームからそっくりメンバーが入れ替わった常翔学園だが、個人技に優れる選手が多彩なアイデアでボールをつないでたたみかける躍動感あるアタックは、昨季のチームを想起させた。敗れた伏見工も高校ジャパンの欧州遠征に参加しているエース尾崎晟也を欠きながら粘り強く食い下がり、伝統のスピリットが健在であることを証明した。
同じく1回戦屈指の好カードと目された報徳学園(兵庫)×天理(奈良)も、期待に違わぬ熱戦となった。前半は、U17日本代表のCTB王子拓也主将を軸にスピードあるラインアタックで3トライを奪った天理が19−0とリードしたが、サイドが入れ替わった後半は流れが一変。NO8前田剛主将、CTB梶村祐介ら突破力あるランナーを起点に力強く前に出る報徳学園が流れに乗り、3トライを返して19−19の同点に追いつく。そして迎えた終了間際、敵陣ゴール前でペナルティを得た報徳学園がPGを決め、22−19で勝ち越し。劇的な逆転勝利で2回戦進出を決めた。
この他、昨冬の花園準優勝校、御所実業は実力校の関西学院(兵庫)を攻守に圧倒し、51−10で快勝。1月のサニックスワールドユース予選会を制し優勝候補の筆頭と目される東海大仰星も、ここ2年本大会を連覇している京都成章(京都)を終盤の猛攻で突き放して31−12で下し、前評判通りの強さを披露した。また潜在力では関西随一と呼び声も高い大阪桐蔭、昨季の花園を経験したメンバーが8人残る大阪朝高も、それぞれ大勝で準決勝へ駒を進めた。
なお2回戦の結果は以下の通り。準決勝は24日、決勝は26日に、神戸ユニバー記念競技場で行われる。
(文・直江光信)
▼近畿高校大会2回戦結果(3月22日)
御所実業 28−17 常翔学園
大阪朝高 57−10 光泉(滋賀)
大阪桐蔭 84−0 八幡工業(滋賀)
東海大仰星 36−17 報徳学園
天理(白)との激闘を制した報徳学園だが4強入りならず
(撮影:直江光信)