ジュニア・ジャパン(日本代表に次ぐシニア代表チーム)が今年から参加することになって注目を集めている「IRB パシフィックラグビーカップ」。もともとは、フィジー、サモア、トンガの国内でプレーする選手の強化を目的として、2006年に始まりました。
南太平洋諸島ではラグビーが盛んですが、トップレベルの選手はヨーロッパやニュージーランド、オーストラリア、日本など海外へ渡ってプレーしているのが現状です。
しかし、同地域には間違いなく金の卵が存在します。
IRB(国際ラグビーボード)は財政的に苦しいパシフィック・アイランドのラグビー界に対し、2012年に700万NZドル(当時:約4億5000万円)以上の投資を約束しました。ラグビーワールドカップのコマーシャル収益から捻出されたその資金は、フィジー、サモア、トンガのエリート選手を育成するラグビーアカデミーの運営にも使われることとなり、ハイパフォーマンスセンターの設備を充実させています。
そして、競争力をつけるためには試合のレベルを上げることも必要で、主要大会の一つである「パシフィックラグビーカップ」は門戸を広げ、拡大しました。
2010年までは“フィジー・バーバリアンズ”、“サバイイ・サモア”、“タウタヒ・ゴールド”など3カ国の6チームによる大会でしたが、2011年からオーストラリアとニュージーランドの若手チーム(スーパーラグビー予備軍)も参戦するようになり、未来のスター候補たちはライバル心を燃やして切磋琢磨しています。
今年はサモアA、トンガA、フィジー・ウォーリアーズのほか、オーストラリア勢7チーム(ジュニア・ワラタス、ブランビー・ランナーズ、レッズ・カレッジXV、ブリスベン・アカデミー、シドニー・アカデミー、レベル・ライジング、ウェスタン・フォースA)、ニュージーランドから5チーム(ハイランダーズ・デベロップメント、ブルーズ・デベロップメント、ハリケーンズ・デベロップメント、クルセーダーズ・デベロップメント、チーフス・デベロップメント)、それにジュニア・ジャパンを加えた16チームが参加。
フィジー、サモア、トンガの選手だけでなく、他国の若手たちもハングリーです。日本の選手たちは大いに刺激を受けることでしょう。
第1戦でブリスベン・アカデミーに敗れたジュニア・ジャパンはこのあと、レッズ・カレッジXV(3月18日)、シドニー・アカデミー(同23日)、ブルーズ・デベロップメント、(同28日)、ハイランダーズ・デベロップメント(4月2日)、ハリケーンズ・デベロップメント(同7日)との試合が予定されています。スーパーラグビーでデビューしたばかりのフレッシュな選手たちは経験が必要ですから、もしかしたら、ハイランダーズの2番手SHとして奮闘している田中史朗選手がジュニア・ジャパンと対戦するかもしれません。