ラグビーリパブリック

ハイランダーズSH田中 開幕直前に心境語る 「しんどいけど苦ではない」

2013.02.20


tanaka


田中史朗がいよいよスーパーラグビーに挑む
(撮影:BBM)


 



 南半球最高峰リーグ「スーパー15」のハイランダーズ(ニュージーランド)は22日、ダニーデンはフォーサイスバー・スタジアムで今季開幕節を迎える。昨季王者のチーフス(ニュージーランド)との一戦では、日本人で初めて同リーグでの契約を勝ち取ったSH田中史朗がベンチ入り濃厚か。2019年のラグビーワールドカップ日本大会に向け、競技人気の向上を目指す。



 19日、無料通話アプリケーションでの取材に応じたSH田中は、「(登録メンバーは)まだわからない」としながらチーフス戦での途中出場の可能性を示唆。終盤の攻めのテンポを上げるのが役目だそうだ。



 全体練習では、先発候補のSHアーロン・スミスと交互で主力組に入る。ニュージーランド代表でもあるライバルを「パーフェクト。パスのスピードと走るスピードが僕の手の届かないレベル」としつつ、自身は異なる特徴をアピールしたいと話す。これまで相手守備の盲点を瞬時に見抜く目と判断力を長所に、日本代表33キャップ(国同士の真剣勝負への出場数)を取得。新たな環境でも、「スペースを突いて数的優位を作り、味方を活かすプレーを、周りが理解してくれている」と手応えを掴んでいる。



 パナソニックから昨春オタゴ代表入りし、ITMカップで活躍。国内初のスーパーラグビープレーヤーとなった身長166センチ、体重75キロの28歳は、ハイランダーズ入り後に自分が成長した点を「ラグビーに対する思い」とした。



 「(個々の)身体の張り方が日本のラグビーと違う。そういうことはITMでも思いましたけど、ここではさらに…。もっとチームのために、痛くても、しんどくても、やる。自分もそうですし、他の日本の選手にもそう思ってもらいたいです」



 新たな挑戦と平行し、普及活動にも注力する。人気向上のための議論の場として、facebook上に「ラグビーファミリー」という公開ページを作成。現地で知り合った早大OBでオタゴ大学院在学中の田中勝悟さんに、英語版の制作を頼んだ。



 「2019年のワールドカップがまだ皆に知られていない。まず、ラグビーを知ってもらう。僕が日本に、勝悟が世界に問いかけて日本のラグビー界を動かしていこう、と。下(選手)から上(日本協会など)を動かす。僕個人にとっては今年が大事ですけど、日本ラグビーを考えたら2019年が大事。正直、しんどい部分はありますけど苦ではない。楽しんでやらせてもらってる部分もありますので」



 田中の新たなステージは、日本時間の15時35分に幕を開ける。



(文・向風見也)


 

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