(撮影:Yasu Takahashi / Nichigo Press)
またしてもアルコールがらみの騒動を起こしてしまったオールブラックスのWTBザック・ギルフォードが、専門家による集中的治療を受けて完全に問題を解決するため、自発的にしばらくの間ラグビーから離れる決断をした。
ニュージーランド・ラグビー協会は26日、ギルフォードが所属チームのクルセーダーズから無期限で離脱することを発表。ユース時代からスターの階段を上り続け、2011年ワールドカップで金メダルを胸に輝かせた才能豊かな23歳は、2月15日から8月3日まで開催される今年のスーパーラグビーには参加しないことがほぼ確実となった。
1年半前から酒に関するトラブルをたびたび起こしていたギルフォード。2011年11月には、泥酔しての全裸騒動に加え、男性2人への傷害事件、スクーターの飲酒運転、ジョギングしていた女性へのセクハラ発言など過ちを犯し、ニュージーランド・ラグビー協会から4週間の出場停止処分を科された過去がある。さらに、アルコール依存の治療とカウンセリングを受けるよう厳命され、1年間アルコール飲酒を断っていたのだが、今月上旬にハウスパーティーで酒を飲んだあと喧嘩で参加者を殴ったことが表沙汰になっていた。
2009年にU20ニュージーランド代表として来日し、ジュニア世界選手権優勝に大きく貢献したが、秩父宮ラグビー場に応援に来ていた父ロバートさんが心臓発作を起こし、亡くなるという悲劇を経験した。辛い時期を乗り越え、同年末の欧州遠征でオールブラックスデビュー。2011年ワールドカップのカナダ戦では4トライを挙げるなど活躍し、これまで10キャップを獲得している。
プロのラグビー選手として復活できるかどうか定かではないが、ニュージーランド・ラグビー界はまだ彼を見捨てていない。クルセーダーズのトッド・ブラッカダーHC(ヘッドコーチ)は地元メディアに対し、「私たちはザックをサポートしていく。今回の決定は、彼が病を克服するためのポジティブな前進だと捉えている」とコメントした。