肉弾戦を得意とする東芝。3季ぶり6度目の優勝を目指す
(撮影:BBM)
日本最高峰ラグビートップリーグ(TL)は27日、東京・秩父宮ラグビー場でプレーオフ(PO)の決勝戦を行う。3季ぶりの王者を目指すリーグ戦2位の東芝が、昨季王者で同1位のサントリーに挑む。
20日、TL上位4強によるPO準決勝で3位のパナソニックに20−8と勝利(秩父宮)。攻めては接点で束になり、守っても皆が列をなし前進した。「東芝のアタックとディフェンスをやりきろうという思いがあった」とNO8豊田真人主将。統率の取れた連続攻撃が長所のサントリーにも、そのスタイルでぶつかりたいと語る。ここまで無敗の王者を前に、日本代表として63キャップ(国同士の真剣勝負への出場数)を獲得したLO大野均は「セットプレーとブレイクダウン(ボール争奪局面)でプレッシャーをかける」。肉弾戦は得意だ。反則に注意しながらも、球の出どころに圧力をかけ相手の動きを止めたい。
一方、NO8豊田は「蹴られた時にどうするかが鍵」と話す。「サントリーはタッチ(ラインの外へ)キックを蹴らない。まっすぐ蹴って、相手が蹴り返したところから攻撃を始める」。南アフリカ代表として62キャップ所持のSHフーリー・デュプレアが正確なキックを放った際、東芝はどう対処するか。「その辺の判断は(陣地の取り合いをリードする)ヒル(SOデイビッド・ヒル)とゴウシさん(FB立川剛士)の判断。でも、前にいる選手の(蹴られた地点への)戻りは速くします」と続けた。
「自分たちのラグビーをやりきるという覚悟をどう決めるか。選手全員、スタッフを含めて、です。ぶれそうになる時もあるんです。サントリーさんもいいプレーをするから。そんななかでも、覚悟を80分間、持ち続ける」
相手には、オーストラリア代表として110キャップ取得のFLジョージ・スミスがいる。スキルとボール奪取能力に長けるキーマンのことは「常にターゲットにする」とNO8豊田主将。「見つけたらスマッシュする(思い切りぶつかる)。そういう選手とやれるのも楽しみ。相手がサントリーだからです。こんなにウキウキするのは」。最高峰の頂上決戦は14時、キックオフ。
(文・向風見也)