ラグビーリパブリック

2連覇目指すサントリー 攻めるためには「我慢」と「読む力」

2013.01.18


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サントリーのキーマンとなりそうなFLジョージ・スミス
(撮影:BBM)


 


 


 日本最高峰ラグビートップリーグ(TL)の昨季王者であるサントリーは19日、同上位4強でのプレーオフ(PO)に挑む。今季リーグ戦は無敗で1位通過も、今季就任の大久保直弥監督は気を引き締める。



 攻め続けるスタイルと姿勢をクラブに根付かせ、昨季はTLと日本選手権の2冠を獲得したエディー・ジョーンズ前監督(現日本代表ヘッドコーチ)が辞任。今季から指揮を執る大久保監督は「HUNGRY」というスローガンを打ち出し、どんな状況でも貪欲に戦う姿勢を重視した。全勝して首位で終えたリーグ戦を「7点差以内の試合が4回あった。そこで負けている可能性もあった」とし、「そういう意味では今季、『HUNGRY』と掲げてよかった。1位通過は過去のこと。日本一のタフなトレーニングをしてきたことを、(PO優勝という結果で)証明する」と続ける。



 PO準決勝の相手は、リーグ戦4位の神戸製鋼だ。1月6日の直接対決では43−29と勝利(兵庫・ホームズスタジアム神戸)も、大久保監督は相手FW陣の力強さを警戒。「アグレッシブに攻めるのが僕たちのスタイルですけど、時間帯によってはテンポをコントロールしていきたい」。POはトーナメント制とあって、堅実に戦いたいようだ。



「POではディフェンスが重要。去年もリーグ戦の平均失点が20点台だったのに、POでは10点台だった。しっかりとした規律のもと我慢して、我慢して、神戸製鋼のサポートが薄くなってきたところにサントリーの選手が2人(相手より多い人数)でファイトできるようにしたい」



 キーマンは入部2年目のFLジョージ・スミスか。密集から球を奪うジャッカルというプレーを長所とし、オーストラリア代表として110試合ものテストマッチ(国同士の真剣勝負)に出場。「何年かラグビーをやった経験を活かして、どのブレイクダウン(密集)からジャッカルするかを見極めてやっている」と本人は語る。「サポートが薄くなってきたところ」への的確な働きかけに、大久保監督は「彼のゲームを読む力は抜群」と信頼を寄せる。



 サントリーと神戸製鋼のPO準決勝は14時、東京・秩父宮ラグビー場でキックオフ。


 


(文・向風見也)


 

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