常翔学園、歓喜の瞬間
(撮影:BBM)
常翔学園(大阪)が、2012年度の高校チャンピオンに輝いた。
1月7日、大阪・近鉄花園ラグビー場で第92回全国高校ラグビー大会の決勝戦が行われ、常翔学園が17−14で御所実業(奈良)に勝利。校名が大阪工大高だった時代に1995年度大会を制して以来、17年ぶり5度目の優勝をつかんだ。
先制したのは常翔学園だった。前半1分過ぎ、SO後藤大輔が自陣10メートルからフェイントと巧みなステップを使って次々とディフェンダーをかわし、約60メートル走り切ってトライを挙げた。5分にはブレイクスルーしたCTB木下亮太がWTB野崎翼につないで2本目。
序盤に連続パンチを食らった御所実だが、その後は辛抱強く守り続け、22分過ぎにチャンスをつかんだ。モール前進で22メートル内に入ったあと、SH柏原拓人が抜けてFL立花拡聖に渡し、ゴールラインを越えた。コンバージョン成功。前半は10−7、常翔学園がリードして折り返した。
後半、先に流れを呼び寄せたのは御所実。6分、敵陣22メートル内ポスト正面でペナルティをもらうと、ショットを選択せず、モールで前進した。一度止められたが再度組み直し、FL立花がグラウンディング。ゴールも決まって10−14と逆転した。
接点とディフェンスで奮闘する御所実が、ゴールに襲いかかる大阪の雄を何度も止めた。しかし21分、左サイドをついて相手の防御網を揺さぶった常翔学園は、すばやく右へ展開してWTB松井千士がコーナーに飛び込んだ。これが決勝点。
ゴールも決めて3点差としたあと、常翔学園は残り時間のほとんどを敵陣で戦い、御所実に反撃を許さなかった。
伝統校の復活。そして、2008年に現校名となってからは初制覇であり、常翔学園の歴史にまばゆい一章が記された。