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パナソニック山田 「プレッシャー」乗り越えシーズン最多トライ記録更新!

2013.01.06


yamada


トップリーグの歴史に名を刻んだ山田章仁
(撮影:松本かおり)


 


 


 パナソニックのWTB山田章仁は6日、日本最高峰のラグビートップリーグ(TL)でのリーグ戦最多トライ記録を更新。京都・西京極陸上競技場であったキヤノンとの第13節で通算トライ数を「20」とし、最多トライゲッターのタイトルも獲得した。



 北川智規(パナソニック)、ネマニ・ナドロ(NEC)の持つ従来の記録「19」まであと「1」に迫っていたこの日は、背番号11で先発。ウォーミングアップ中からテレビカメラを向けられるなど注目を浴びてグラウンドに立った。



 4点ビハインドの前半23分、自陣ハーフ線付近右スクラムから繋がったボールを受け、跳ね上がるようなステップで目の前の相手をかわす。カバーに入るタックラーをトップスピードで振り切り、左タッチライン際を60メートルほど快走。ゴールエリアへ片手で球を置き、タイ記録達成と8−7での勝ち越しに成功した。



 試合の主導権を握った後半31分には、敵陣中盤右のスクラムを起点とした展開からFB笹倉康誉が突破。フォローに走った山田は左タッチライン際でオフロードパスをもらい、またもダンスの足の刻みで相手守備をかわす。約30メートルを駆け抜け、インゴールへ飛び込んだ。場内には記録更新を伝えるアナウンスが響き、本人もチームメイトから祝福された。



「ようやく、プレッシャーから解放されました。嘘だと思われるでしょうけど、(トライ数のことは)皆さんに言っていただくまで本当に意識してなかった。でも、(記録更新が)現実的なポジションにはあったので、(決めなければという)責任感っぽいのはありましたかね」



 今季は、多くのマイナーチェンジを好結果に繋げた。開幕前の体重を前年度から5キロ増の88キロ(現在は記録上85キロ)とする。日本社会人アメリカンフットボールXリーグへの挑戦では、グラウンド全体を見渡す視野を獲得。何より「アメフトが難しかったし、初心に帰るということができた」。年間を通してボールタッチ数増加をテーマに掲げ、11月には初の日本代表入りを果たした。そんななか、ずっと変わらなかったものは何かと聞かれ、「楽しむことかな」と笑った。



 チームは最終戦を44−14で勝利し、リーグ戦の戦績を3位とした。東京・秩父宮ラグビー場で20日、同2位の東芝とTL上位4強によるプレーオフの準決勝を戦う。山田は「これからも1つひとつ、集中する。集中した方が勝つ」と意気込んだ。



(文・向風見也)


 

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